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自動車産業で今後起こるDisruptiveな革新とシンガポールのポテンシャル――モビリティ・自動運転・デジタル化・EVの潮流飛躍(3/4 ページ)

車両技術の発展にとどまらず、新たなサービスが出現し、移動方法やクルマの持ち方、関わり方までが変化する、プレイヤーや業界構造を根幹から変える劇的な革新が予想される。

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▼2.2.2 消費者の関心:MADEに対するアジア消費者の高い受容性

 10カ国1万人以上への消費者調査により、自動車業界の新しいトレンドMADEに対する消費者の受容性は、欧米よりもアジア諸国で高いことが判明した。各項目についての詳細は以下のとおりである。

  • Mobility(新たな移動手段)

 新しいモビリティサービスはどの程度利用されているのか。シンガポール、中国、インドなど、アジア新興国の消費者が、自家用車の代わりにカーシェアやUberなどのモビリティサービスを積極的に活用していた。一方、欧米では、まだ自家用車の活用比率が高かった。

 また、利便性の高いモビリティサービスが浸透する結果、自家用車を購買しなくなるという傾向も、シンガポール、中国、インドで顕著であった。

  • Autonomous(自動運転)

 自動運転車サービスは今後、どの程度利用されていくのか。回答者のうち46%は、将来、安価なロボットタクシーを利用できるときが来れば自家用車は購入しないと述べた。特にオランダ、フランス、シンガポール、日本でその傾向が強かった。

  • Digitalized(デジタル化)

 消費者のデジタル化が進む中で、例えばクルマの購買についてはどこまでオンライン化されるのだろうか。

 将来クルマをインターネット経由で買いたいという消費者は、中国、インド、ドイツの順で高かった。特に中国では25%もの消費者がオンライン購入を望んでおり、ECやオンライン決済が発達した文化を反映している。なお、最もデジタル化への受容性が低いのは日本の消費者であり、特にクルマの購入は現場で実際に確認して行いたいという消費者が多いと思われる。

  • Electrified(電動化)

 アジア諸国(中国・韓国・インド・シンガポール)のEV購入意欲は他国より高かった。

2.2.3 規制:まだ道半ば

 各国における規制の整備状況は、まだ道半ばである。

 自動運転車の型式認証プロセスの規定は、自動運転市場が今後立ち上がる上で大きなポイントとなるが、その整備はオランダ以外で進んでいない。また、EVの普及を促進するエンジン規制や助成金はシンガポールでは進んでいるが、ほとんどの国では限定的であり、2025年のCO2規制方針もまだ最終化されていない。

▼2.2.4 技術:2021年を目処に自動運転やEV社会実現へのハードルが格段に低下

 自動運転技術について、既に各社は自動運転テスト車両を3〜5千万キロ近く走らせて開発に注力している。自動運転レベル4の実現にあたっては制御系CPUの性能を現在の2万DMIPから10万DMIPまで拡大する必要があるが、CPUメーカーのロードマップにもとづくと、それも2021年には達成される方針である。EVバッテリーの製造コストは低減に向けて開発が進んでおり、現在の200ドル/kWhから2020年までに120ドル/kWhまで低下する見込みである。

 また、ベンチャーキャピタルによるモビリティサービスへの投資額は、2016年にグローバルで90億ドル以上に達した。特に人工知能分野が注目されており、同分野への投資額は2015年の7億ドルから翌年16億ドルまで拡大している。

▼2.2.5 インフラ:EV充電インフラはオランダ、自動運転実証環境は韓国と米国で先行

 車車間通信、路車間通信を実現するための通信ネットワークの向上は各国が取り組んでおり、先進国では2020年に向けて5G通信環境が整備される計画である。また、車車間通信の導入は、米国と日本が先行する見込みである。

 EV充電インフラについて、国土あたりの設置密度はオランダが一番高い。一方、中国もEVの環境整備が進む中、設置数では1位であった。

 自動運転の実証運転環境については、韓国、及び米国の複数の州では、ほぼ全ての公道で自動運転の実証走行を可能としており、両国が先行している。

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