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AI時代こそ地頭力を鍛えるビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

AIの発展をチャンスと考えれば「人間ならでは」の仕事がこれまで以上のレベルでできる可能性が広がる。

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AI時代に重要な「自ら能動的に考える力」


『まんがでわかる地頭力を鍛える』

 最近では毎日のように、さまざまな業界の商品やサービスにAI(人工知能)が適用される話題が出ています。近年のAIの発展は、人間の知的能力の位置付けを抜本的に変えるインパクトを持っています。単に過去の知識を覚えるだけの仕事や、定型的なルーティンワークは相当なスピードでAIに置き換えられていくのは間違いないでしょう。

 そんな時代に人間がやるべきなのは、能動的に考えて自ら問題を発見し、それを解決していくことです。そこで必要なのが地頭力=仕事に必要な「考える力」です。第4次産業革命とも言われる、ICT(情報通信技術)を活用したデジタル化によるビジネスの変革、いわゆる「デジタルトランスフォーメーション」によって、あらゆる企業に変革が求められている時代には、これまでの業界の経験や知識をリセットして、新しいビジネスモデルや商品・サービスを生み出すチャンスが生まれています。そんな場面で求められるのが自ら能動的に考える力なのです。

 幸いなことにAIの発展をチャンスと考えれば、人力に頼っていた過去の知識の記憶を全て機械がこなしてくれますから、さらに「人間ならでは」の仕事がこれまで以上のレベルでできる可能性も広がります。

 ところが、1つ考慮すべき落とし穴があります。それはこれまでビジネス社会で求められてきた人物像、特に安定した伝統ある会社で暗黙のうちに評価されてきた人物像は、むしろ「あまり自らの考えを持たずに空気を読んで、言われたことを真面目にこなす人」であり、「受動的で自己主張をしない」ことが(表面上、そうは言われませんが)実は組織でうまくやっていく秘訣(ひけつ)だったのではないでしょうか?

 ではどのようにすれば、社員が自ら能動的に考えて行動するようになるのか? そこには今までと正反対の価値観を会社に導入する必要があります。

社員が「思考停止」していませんか?

 これまで組織の中で評価されていながら思考停止の温床となっていた人材の資質が、皆さんの会社では当てはまらないか、まずは以下のリストでチェックしてみてください。こんな人たちが、組織内では高い評価を得ていたのではないでしょうか?

1、チームワークが得意である

2、上司や顧客からの指示や依頼は確実に実行する

3、恵まれない環境でも必ずその中で最善を尽くす

4、規制やルールなどの決まりごとを順守する

5、仕事にも日常にも不満が少ない

6、始めたことは必ず最後までやり抜く

 このような社員は、会社や事業の方向性が決まっていて、決められたことを(どこかのキャッチフレーズではありませんが)「早く安くうまく」実行すればいい場合には確かに優秀な人材と評価されますが、「自ら能動的に考える」とは全く逆の方向です。

 経営者やリーダーは、よく「自ら能動的に考えよ」といいますが、このような人たちが「重宝される」組織では、暗黙のうちに自分たちの手で思考停止を加速している可能性があるのです。

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