検索
連載

効率アップを目指す、プレマネが知っておきたい「任せるコツ、5選」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

「できるマネジャー」ほど自分でやったほうが早いと考えるが、それではいつまでたっても状況は変わらない。

Share
Tweet
LINE
Hatena
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。



『プレイングマネジャーの基本』

 今、課長職の99%が自分のプレイング業務を抱えたままに、マネジメントをしているといわれています。いわゆる、プレイングマネジャーです。そこで、ジレンマになるのが、自分の業務があるため、マネジメントが中途半端になってしまうというもの。十分に部下との会話はもちろん、先を見越した仕事ができていないのが実情ではないでしょうか。

 実は、仕事ができるプレイングマネジャーこそ注意が必要です。私は、年間200回程度の企業研修に登壇しています。すると、ほとんどのプレイングマネジャーは忙しく、休憩時間もずっとPCにかじりついています。中には、食事をする時間がないという人もいます。自分でやったほうが早いと考える「できるマネジャー」ほど、そうなっているのです。

 この状況の対策は、ただ1つ。もっと「仕事を任せていく」しかないのです。私が書いた『プレイングマネジャーの基本(かんき出版)』は、そのコツを紹介したい思いで書いた一冊です。今回は、その中から、プレイングマネジャーが知っておきたい「もっと、任せていく」ための実践のコツを紹介します。

任せるコツ1:「連結ピン」を持つ、と決める

 プレイングマネジャーがめざす職場のスタイルは、「自主運営」型の組織です。

 職場内のミニリーダーを決めて、どんどん、あなたのマネジメント業務を移譲していきましょう。ここで、覚えておきたいキーワードは2つ。「スパン・オブ・コントロール」と「連結ピン」です。

 スパン・オブ・コントロール とは、企業内で上司が直接に管理できる部下の人数のことを言います。一般的には、5〜7人程度といわれていますが、プレイングマネジャーとなると、個人の業務もありますので、この半分位2〜4人程度と考えるのが適正です。

 連結ピンとは、組織内のコミュニケーションを円滑化するには、「介在役(連結ピン)」が必要という考え方。もし、2〜4人を超えるようなら、このミニリーダー(連結ピン役)をチーム内に置くことです。

 権限移譲によって、マネジメントの負担を軽くしながらも、部下の主体性を高められる組織を作ることこそが、プレイングマネジャーが、やっておくべきことなのです。

任せるコツ2:「任せる範囲」を決める

 まず、決断をしてください。「任せるリーダーになる」と。というのも、プレイングマネジャーは忙しく、やはり任せないと、とても追い付かないからです。3つの決断をしてみてください。

  • 決断1:早々に、マネジャー(自分)のプレイング業務を引き継ぐ(重要な仕事ほど、手放したくないと思うもの。でも、重要な仕事を積極的に任せる! サポートすれば引き継げるはず)
  • 決断2:チームの業務も部下に任せる(例えば会議の進行、新人の育成、提出物のチェック、部署内の広報など、数字の進捗確認なども部下に任せる。)
  • 決断3:任せる際は、同時にチーム全体の業務量を減らす。(でないと、任された部下がパンクしてしまう。)

 あなたの重要な仕事、さらにはチームの業務まで、任せることで、あなたの手間が省けるだけでなく、部下に成長の機会を提供できるのです。

任せるコツ3:未熟な部下の「ミス」は投資コストだと、割り切る

 でも、ひょっとしたら、こう思ったかもしれません。うちの部下は未熟だから、任せられない……と。

 部下は必ずミスをします。マネジャー自身が失敗への許容度を高めておくことです。この失敗への許容度とは、「セルフコンパッション」といわれ、自分の失敗、他人の失敗を許せる力を指します。自分でうまくできるマネジャーほど、失敗への許容度が低いことが多く、任せられないのです。

 そもそも、ミスと失敗は違います。失敗とは、「挽回できない、致命的な事件」。そう考えると、ほとんどのミスは、失敗ではなくなります。

 例えば、納期に遅れた、発注ミスをしてしまった、プログラムを間違えた、もちろんどれも見過ごすわけにはいかないミスですが、失敗のうちには入りません。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る