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女性に職場で活躍してもらうために男性上司が気をつけたいことビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

女性を活用することに賛成でも、現場の上に立つ人たちが方法論を持っていないのでは。

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ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


管理職における女性の割合、世界平均は27%、日本は12%


『女性が職場でかしこくふるまう技術』

 男女共同参画社会が政策として施行されたのは1999年。それから20年がたちましたが、2018年の管理職における女性の割合は、トップのアメリカが39%、世界の平均が27.1%であるのに対し、日本では12%しかいません(2019年3月国際労働機関発表)。これからの少子高齢化社会を踏まえると、女性に活躍してもらわねば、日本の経済も社会も行き詰まってしまいます。

 一方、採用にかかわる経験を持つ経営者や管理職の皆さんは、入社試験で女性のほうが優秀だということはよく分かっているでしょう。また、どの経営陣も女性の活躍の重要性を理解し、期待していることと思います。

 ところが、経験を積むにつれて、優秀だった女性たちが伸び悩んでいるように見えます。これは、総論として女性を活用することに賛成でも、現場の上に立つ人たちが方法論を持っていないということではないでしょうか。

女性たちに知ってほしい「オヤジ上司」の操縦術

 私は、10年間のアメリカ勤務を含めて、23年間商社で働いてきました。その後、エンターテインメント業界で7年間過ごし、たくさんの優秀な女性たちと出会いました。同時に「自分が女性社員だったらこうするのに」と感じることもありました。そこで本書は女性向けに、「管理職の考え方のクセを把握すれば、もっと働きやすくなり、もっと活躍できますよ」という観点で書きました(新書として10年前に発刊したものですが、おかげさまで好評とのことで、今回文庫化の運びとなりました)。

 どんな場面で上司が何を心配するか、自分がやりたいことを上司へ伝える方法、男性上司が苦手な言葉(「前にも言いました」「私は聞いていません」など)などを紹介し、上司を「話の分からないバカ上司」と切り捨ててしまうより、上手に操縦しましょうという提案をしました。

 また、女性たちへエールを送ると同時に、自戒を込めて私と同様の「オヤジ上司」にも、「もっと女性を後押ししましょう」というメッセージを込めました。

無意識に使いやすい男性部下に仕事を振っていないか

 男性部下と女性部下にどれだけフランクに話しができていますか。

 昭和人は、ポジティブなフィードバックも上手ではありませんが、ネガティブフィードバックはさらに苦手です。多くの管理職に聞くと、男性にはまだモノを言いやすいが、女性部下にはなかなか言えない。特にネガティブフィードバックはできていません。

 また、男性上司は無意識に仕事を男性部下に振っていることが多いものです。研修や講演のとき、男性上司たちに「課長であるあなたは新規案件が来たとき、女性部下と男性部下のどちらに案件を振りますか?」と聞いてみると、ほとんどが男性部下と答えます。

 女性たちが伸び悩む理由の一つに、この「チャンスが少ない」ということがあると思います。男性は平均的に会社勤めの年数も長いし、実績を見ても会社の幹部となっている割合が高い、と間違った考え方をしているのです。多くの男性上司が男性部下の尻をたたき、そのまま走ってほしいと願います。

 女性に案件を振ると、最初に「進め方はどうしますか」「この案件の意義は何ですか」などいろいろ聞かれて面倒だ、という気持ちもあるでしょう。言い方によってはパワハラ、セクハラと言われかねないと腰が引けてしまうこともあります。そこで言いやすい男性部下に振るということになるのです。

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