DXを成し遂げる人材・組織のあり方:視点(1/2 ページ)
企業におけるDXとは「データとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革し、競争優位性を確立する」全社的な取り組み。コロナ禍で事業環境が大きく変化する中、その重要性は増している。
企業におけるDXとは「データとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革し、競争優位性を確立する」全社的な取り組みである。コロナ禍で事業環境が大きく変化する中、その重要性は増している。
DXの大号令をかけたものの、単なるオペレーションの合理化や単発小型の新規事業開発にとどまっては意味がない。将来の環境変化を見据えた企業の「目指す姿」、すなわち中長期の経営ビジョンに対し、どのように現状とのギャップを埋めていくか。その中でいかにデジタル技術を活用していくのか、というバックキャストのアプローチで進めていくことがDX戦略の構築におけるポイントである。合わせて、戦略を実現するための人材・組織の整備も必要となる。(図A参照)
ただし、大半の企業はまだDXの推進ができておらず、全社的にDXに取り組めている日本企業は全体のわずか1割、部分的であっても取り組めている企業を含めても、DX取り組み企業は4割にすぎない(※)。前述の通り、DX推進のカギを握るのは、テクノロジー、ビジネス、そして自社の状況を深く理解した「DX人材」である。現在DX人材は逼迫(ひっぱく)しており、約9割の企業が不足を感じている(※)。
特に日本企業においてはIT部門が長年コストセンターと位置付けられており、外部へのアウトソースも進んだ結果、社内に高度なデジタル知見を持った人材が欧米対比でも少ないという歴史的な背景がある。
DX人材は、目指すべき方向に社内をまとめトランスフォーメーションを推進するDXリーダーと、技術・事業知見を持ちその一角を担うDXメンバーに区分される。
特に求められるのはDXリーダーであり、必要なケーパビリティは、以下の4つである。
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