ミーティングの相手が孫さんや柳井さんだと思えばより真剣に計画を具体化できる:ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(1/2 ページ)
計画を立てるのは誰でもできるが、重要なのは目的である。目的は何か、ゴールは何かを常に考え、具体的な目標を立てて、スプレッドシートなどにスケジュールとともに目的を細かく書いておくことが有効になる。
ライブ配信で開催されているITmedia エグゼクティブ勉強会に、放送作家、戦略的PRコンサルタントである野呂エイシロウ氏が登場。2021年7月に発行された著書『先延ばしと挫折をなくす計画術無敵の法則(アスコム)』の内容に基づき、「来年こそ失敗しない! 思い通りに仕事がはかどる無敵の計画術」をテーマに講演した。
学生時代は計画通りにならず大きな挫折を味わう
野呂氏は、1967年、愛知県生まれの54歳。地元の愛知工業大学で学生起業家として活躍後、「天才たけしの元気が出るテレビ」で放送作家デビュー。「鉄腕DASH」「特命リサーチ200X」「奇跡体験アンビリバボー」「ズームイン スーパー」などで手腕を発揮した。30歳のとき、大手広告代理店に誘われて戦略的PRコンサルタントに。これまでに大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。現在も30社以上のクライアントを抱えている。
野呂氏は、「ヒットを考え続けるのが仕事です。これまで、婚活ブームを作ったり、ペッパーをいかにヒットさせるかを考えたり、空飛ぶ自動車にかかわったり、いろいろなことに携わってきました。TV番組をヒットさせるのと、企業のPRを成功させることには共通点があります。そんなことをいうと、自分の本をヒットさせろと言われそうですが、自分のことはなかなか難しいです」と笑う。
これまで順風満帆に見えるが、学生のころはまったく計画通りに物事が進まなかったという。夏休みの宿題も、テストの勉強も計画通りにできず、偏差値が上がらず、大学進学では大きな挫折を味わう。計画通りにできるようになったのは40歳を過ぎてからだ。
転機が訪れたのは、20歳のときだった。偶然買った雑誌に学生起業家募集の記事があり、取りあえず応募してみたら、三菱電機と広告代理店が資本金を出してくれたので、学生起業家になった。学生なのに携帯電話を持ち、父親の年収を超えて授業料を払わされる羽目にもなった。このとき、偏差値を上げるよりも、仕事でて売上を上げるほうが向いていると気が付いた。
重要なのは常に目的を考えること
学生起業家として何をしていたかといえば、当初は企画書の作成である。野呂氏は、「当時、約200万円したAppleのマッキントッシュを買い、美術大学の学生と一緒に、1ページ3万円で、広告代理店2社の企画書を書き、売り上げは毎月200万円程度ありました」と話す。その後、学生向けクレジットカードの企画、学生向け家電の企画、大手企業の社内報の取材・編集、ラジオ番組のレギュラー出演などにも取り組んだ。
当時、特に気を付けていたのがセルフプロデュースである。例えば東京に出張したときには、ビジネスホテルに泊まっていたにもかかわらず、わざわざ帝国ホテルのビジネスセンターまで行ってFAXを送信していたという。理由は、FAXのヘッダーに“帝国ホテル”と印字されるので、送り先の担当者に「帝国ホテルに泊まっている」と思ってもらえれば、いいイメージを与えることができるからだ。
学生起業家として学んだのは、行動するときには目的を明確にしなければならないということだ。目的とは、おいしいものを食べるため、異性にモテるため、自由を手に入れるためなど何でもいい。学生向けクレジットカードの企画は、異性にもてたいためで、大蔵省に通って認可を取り、高額なコンピュータを購入したのは、自由を手に入れるためである。
計画を立てるのは誰でもできるが、重要なのは目的である。目的は何か、ゴールは何かを常に考えることが重要になる。ぼんやりといい大学に行きたいと思って勉強しても実現できない。計画をいかに実行するか、そのためには目的を書き出すことが必要になる。計画通りにいかないと思ったら、具体的な目標を立て、目的をスプレッドシートなどに細かく書いておくことが有効になる。
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