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「DX=ビジネスモデルの進化」を成し遂げられるリーダーとは?ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

他社に先んじて新しいビジネスモデルを構築するために、リーダーに求められるマインドセットとは。

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 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


DX=デジタル化ではない!


『DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略』

 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「デジタル技術を活用したビジネスモデルの革新」です。「ITの導入による業務の効率化」や「事務の電子化による生産性の向上」などをDXの例として取り上げるメディアもありますが、それは単なるデジタル化に過ぎません。「デジタルでビジネスをトランスフォーメーション(変革)する」からこそ、DXなのです。

 もちろん、ITの導入や事務の電子化などによりコスト競争力を高めることができれば、競争優位性が向上します。しかし、効果的だと認識されれば、競合他社も同様の取り組みを展開するはずです。結果として、その競争優位性は短期間のうちにあとかたもなく消えてなくなるでしょう。要するに「デジタル化」だけでは、競争優位性の確たる構築には至らないということです。

 だからこそ、トランスフォーメーションすることが大切です。デジタル技術の活用を通じて新たなビジネスモデルを確立する。そして、今までとは異なる誰かに、今までとは違う方法で、今までにはない価値を提供する。その非連続な成長によりパラダイムシフトを成し遂げること、以て新たなビジネスを創造することがDXの神髄なのです。

DX時代ならではのビジネスとは?

 従来からあるビジネスの多くは、モノやサービスの提供を通じて対価を得ています。製造業や農林水産業は、モノを作ること、売ることで対価を得るビジネスの典型例といえるでしょう。卸売業や小売業は、モノを売り買いすることで収益を獲得しています。飲食業、運輸業、情報通信業のように、サービスの提供を主とする産業もあります。

 これらの従来型のビジネスでは、十分なニーズがあること、他社とは異なる価値を有したモノやサービスを提供できることが競争力の源泉となります。DXがどれほど進展しても、モノやサービスの必要性はなくなりません。モノやサービスを求める人がいる限り、今後も欠かせない存在であり続けるはずです。

 DX時代(DXが進んだ未来)には、モノやサービスの取引を支えるビジネスが増えると予想されます。なぜなら、DXの進展により企業のビジネスモデルのみならず、社会・経済全体のメカニズムが変容するからです。結果として、モノやサービスの提供手段・方法が多様化し、それを支えるビジネスの重要性が高まるでしょう。

 その方向性は、「モノやサービスを取引する新たな“場の創造”」「モノやサービスの取引における“非効率の解消”」「モノやサービスの取引に対する“需給の拡大”」「モノやサービスの取引に付随する“収益機会の拡張”」の4つに大別されます。この「DX時代ならではのビジネス」は、社会に新たな価値と多様性をもたらすだけではなく、産業の革新と経済の持続的な発展にも貢献するはずです。ビジネスの進化をリードする存在といっても過言ではありません。


従来型とDX時代ならではのビジネス

 この「DX時代ならではのビジネス」の具体例については、拙著『DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略』(インプレス)をご高覧ください。

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