部下への接し方は大丈夫? 関係性向上のカギは「笑い」:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
ビジネスにおいて、なぜ「笑い」が必要なのか。それは、多くの職場では、人間関係が原因となり起こっている問題が数多くあるからだ。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
あなたは、ビジネスに「笑い」が必要だと思いますか? 私は、必要だと確信しています。ビジネスにおける笑いの効果として「ハーバード・ビジネス・レビュー」では、笑うことは創造性を高め、協力を促すうえ、分析の精密さや生産性の向上をもたらすとされています。
もちろん、ビジネスにおいて笑いが目的になることはありません。あくまでも相手と関係構築する上での1つのスパイスだと考えてください。
なぜ、私が「ビジネス」と「笑い」について話しているかというと私の経歴が、元芸人から人事コンサルタントを経て「世の中を今よりもちょっと面白おかしく」というビジョンを掲げて「株式会社俺」という自己主張が強い名前の会社を経営しているヘンテコな経歴の持ち主だからです。
株式会社俺では、(1)笑いの力で組織を変える「コメディケーション(※)」と(2)お笑い芸人からの転職支援「芸人ネクスト」の2つの事業を展開しています。
※コメディケーションとは……コメディ×コミュニケーションを掛け合わせた株式会社俺が作った造語です。
さて、改めてビジネスにおいて、なぜ「笑い」が必要なのか。それは、多くの職場では、人間関係が原因となり起こっている問題が数多くあるからです。
間違って認知されている「心理的安全性」の罠
例えば、人事コンサルタントという職業柄、管理職から話を聞くと「心理的安全性」という言葉が間違って広がったがゆえに「叱れない」といったような問題が起こっており、新人・若手に腫れ物に触るかのようにしか関わることができず関係構築の仕方に悩む人も増えています。
ある会社では、上司から部下へ関係構築するために「自己開示」を試みました。しかし、部下からすれば普段は「笑顔」すら、あまり見せることのない上司が、「いきなりプライベートな話」をし出したため、「なんか気持ち悪いな」と感じてしまったわけです。
このような上司と部下の関係構築における「ズレ」はなぜ起こるのでしょうか。
関係構築には3つのステップがある
それは、関係構築には3つのステップが存在していることを理解していないからです。具体的にどのようなステップがあるのかというと
(1)関係開始:この人は良い印象だ
(2)関係継続:この人をもっと知りたい/(上司の場合)この人から学びたい
(3)関係深耕:この人の力になりたい
このように関係構築には、3つのステップがあります。また、それぞれ目的が存在しており、(1)〜(3)の目的を達成するための異なるスキルがあることを理解する必要があります。加えて、「(2)関係継続」については、上司の場合は「この人から学びたい」という目的に変わります。
なぜかというと、昨今の新人・若手の特徴として「厳しくても・緩くても辞める」ということが発生するように、上司は「この人から学びたい=成長できる」というように思わせ「キャリアの不安」を解消する必要があるからです。
さて、先ほどの「自己開示が少し気持ち悪い上司」を例に挙げて関係構築における「ズレ」を深掘りすると「(1)関係開始:この人は良い印象だ」を部下から獲得することができていないにも関わらず、プライベートな話をしてしまったのが要因となります。
関係開始は7秒で決まる
では、部下から「(1)関係開始:この人は良い印象だ」を獲得していくためには、どうしたら良いのでしょうか。実は、6〜7秒間に全てがかかっています。
「初頭効果」という理論を耳にしたことがある人も多いと思います。簡単に説明すると、人は、人の印象を6〜7秒で判断しているといわれています。加えて、その判断は半年間持続します。
では、すでに6〜7秒の関係開始が終わっている部下と、この理論をもとにどのように接していくかというと、「朝の挨拶」や「会議の始まり」など、全ての開始の6〜7秒間だけ意識し、「笑顔」でいることを心がけてみてください。笑顔の効果が働き、自分からの関係開始だけではなく、部下からの関係開始もしやすくなります。ある会社では、部下が毎朝の上司の顔色を伺って「アタリ・ハズレ」を占っていたそうです。ハズレだった場合、職場から逃げ出したくなりますよね……。
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