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NHKと東大がタッグ 大学紛争にVR開発、「失われた30年」検証も
NHK側は映像アーカイブスや情報発信のノウハウ、東大側は保有する歴史的資料や研究成果を互いに提供。防災や人材育成などの分野だけでなく、東大紛争をテーマとした近現代史の発掘や、VR技術を使ったコンテンツ開発で共同事業を展開していく方針。
NHKと東京大は4日、双方の資産を生かした社会的課題の解決や教育研究の振興などを目的に、包括連携協定を締結した。NHK側は映像アーカイブスや情報発信のノウハウ、東大側は保有する歴史的資料や研究成果を互いに提供。防災や人材育成などの分野だけでなく、東大紛争をテーマとした近現代史の発掘や、VR(仮想現実)技術を使ったコンテンツ開発で共同事業を展開していく方針。
東大安田講堂(東京都文京区)で行われた締結式で、NHKの稲葉延雄会長は連携の背景の一つとして新型コロナウイルス禍の間に報道の信頼度が低下したことに触れ、「(報道機関は)サービス業の苦労を伝えるばかりで、コロナにどう立ち向かうかという情報を視聴者に提供できなかった」と述べた。東大の藤井輝夫総長も「コロナもサイエンスとして俯瞰して、一般の方がよりよく分かるものを作っていけたら」と連携の意義を語った。
一方、今回の連携で挑戦したいテーマとして、稲葉会長はバブル崩壊後の「失われた30年」を挙げ、「この30年がどういう時代だったのか検証しないことには、どういう政策対応が必要なのかという答えは出てこない」と意欲を見せた。
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