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世界の観光都市もオーバーツーリズム対策 潮流に乗り遅れるな

新型コロナウイルス禍で減少した旅行者はほぼ元通りとなり、世界の観光地でもオーバーツーリズムの問題が再燃。入場制限や施設の立地規制などの措置で対抗する。

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産経新聞

 新型コロナウイルス禍で減少した旅行者はほぼ元通りとなり、世界の観光地でもオーバーツーリズムの問題が再燃。入場制限や施設の立地規制などの措置で対抗する。


人気観光地周辺のバス停は長蛇の列となっていた=京都市東山区

 水の都として知られる世界遺産のイタリア・ベネチアはコロナ禍後の観光客の急回復を受け、来年から日帰り客を対象に5ユーロ(約790円)の入場料を課すことを決めた。観光客が多い時期を選び試験的に導入する。

 オーバーツーリズム対策を先駆的に実施してきたのはオランダの首都アムステルダム。これまでも中心市街地でのホテルや観光客向け店舗の新規営業を禁止してきたが、今年7月には市議会が中央部へのクルーズ船の寄港禁止を承認した。

 欧州屈指の観光地、スペイン・バルセロナでもコロナ禍前からマナー違反が目立つ観光客と住民との軋轢(あつれき)が顕在化、ホテル新設を禁止する区域を設けるなどしてきた。

 景観や自然保護のための対策も進んでおり、ペルーのマチュピチュ遺跡では入場者数や滞在時間を制限。フランス・マルセイユのカランク国立公園では、入り江が侵食されるのを防ぐため1日の訪問者を制限する予約システムを導入している。

 翻って日本はまだ対策が緒についたばかり。星野リゾートの星野佳路代表は「新たな在り方を模索しなければ、日本の観光は世界の潮流から置いてけぼりになる」と警鐘を鳴らしている。

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