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千葉の国立木更津高専にサイバー人材育成拠点、出前授業や企業アドバイザーにも

サイバー攻撃の脅威に対抗し、独立行政法人国立高等専門学校機構はインターネット関連の最先端の技術を磨き、攻撃を防げる人材の育成に乗り出した。

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産経新聞

 サイバー攻撃の脅威に対抗し、独立行政法人国立高等専門学校機構はインターネット関連の最先端の技術を磨き、攻撃を防げる人材の育成に乗り出した。その拠点に国立木更津高専(千葉県木更津市清見台東)が選ばれ、高知工業高専と共同運営する「サイバーセキュリティ教育推進センター」が開所式を迎えた。産官学の連携を一層深め、国難にも対応できるような飛び抜けた知識とスキルを備えた「サイバーセキュリティーのプロ」を育てる。


サイバーセキュリティ教育推進センターの開所式で意気込みを語る大塚友彦センター長=15日、木更津市の木更津工業高等専門学校

 「複雑化するサイバー攻撃に対し、防御に関する素養をアップデートできる人材を育てるには産業界や行政との連携が不可欠だ」

 15日、50人ほど集めた木更津高専の開所式で、大塚友彦センター長はこう語った。


サイバーセキュリティ教育推進センターの開所式

 センターでは、サイバー攻撃を仕掛ける悪意のあるハッカーへの対策や復旧にあたる技術者「ホワイトハッカー」を育成する。AI(人工知能)など他分野の教養も身に着け、学んだ知識や技術を生かしてソフトを開発したり起業したりすることも想定している。

 企業へのインターンシップや大学との共同研究などを加速させ、サイバーセキュリティー分野での産業競争力強化につなげる。

 昨年1年間で警察当局が摘発したサイバー犯罪は1万2369件と過去最多だった。企業や医療機関などへの身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウエア」による被害が目立つ。日本のサイバーセキュリティー分野の技術力は海外よりも後れを取ってきたとの指摘もある。だからこそ、高度化するサイバー攻撃に対応できる人材の育成が欠かせない。

 木更津高専では生徒が日々学んだ知識を、プログラミングの授業が必修化された周辺の小中学校に「出前授業」で披露する。

 地元企業のセキュリティー強化策をアドバイスできるレベルのノウハウを卒業までに全員が身に付ける。

 大塚センター長は「木更津がサイバーセキュリティーの拠点となれば、地域振興にもつながる」と語る。

 高専の生徒らはそれぞれの学びの幅が広がることを歓迎している。5年生の富沢太一さん(20)は「これまで触れたことがない世界を新たに知ることができる」と期待を寄せた。

(松崎翼)

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