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アサヒグループHD・勝木敦志社長 毎年1億ドルコスト削減、DXなど投資加速

原材料や資材の調達をグループ全体で管理し、毎年1億ドルものコストダウンを進めてデジタル化や研究開発投資を積極化させる考えを示した。

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産経新聞

 アサヒグループホールディングスの勝木敦志社長(63)は、産経新聞のインタビューに応じ、原材料や資材の調達をグループ全体で管理し、毎年1億ドル(約145億円)ものコストダウンを進めてデジタル化や研究開発投資を積極化させる考えを示した。

――増税が続く発泡酒や第3のビールの将来は


インタビューに応じるアサヒグループホールディングスの勝木敦志社長=14日午前、東京都墨田区

 「アサヒスーパードライを中心とした狭義のビールに投資していくのが基本的な(ビジネス)モデルだが、低価格な商品を求めるお客さまはたくさんいる。そういう方達にご支持頂けるよう一定の投資は今後も続けていく。発泡酒は(糖質ゼロなどの)機能系ブランドを育てる。新ジャンル(第3のビール)は現在も酒税を除く中身価格は350ミリリットル缶当たりで(狭義のビールより)二十数円安く、エコノミークラスの商品という位置づけは残る」

――原材料や資材の調達をグループ全体で管理してコストダウンにつなげる

 「アサヒグループ全体の調達を管理する子会社『アサヒグローバルプロキュアメント』をシンガポールに新設し、1月から運用を始めた。これまでは日本と欧州、オセアニア、東南アジアの4地域ごとで共同調達をしてきたが、グローバルで統合し、2028年までの5年間で毎年1億ドル(約145億円)程度のコストダウンを実現する計画だ」

――1億ドルを何に使う

 「利益に貢献するのはもちろんだが、それだけでなく、マーケティングや研究開発、DX(デジタルトランスフォーメーション)、サステナビリティー(持続可能性)の投資にも回す」

――海外経済の減速など今年の経営環境は不透明だ

 「民族・国家間の紛争は短期間で収束するとは思えず、米国の景気後退(リセッション)懸念や中国経済の減速が世界経済を押し下げる効果も当然予測しなければならない。ただ、ビールはリーマン・ショックのような過去の世界的危機でも深刻な影響は受けなかった。いわゆる『手の届くぜいたく』であり、高額品や耐久消費財が売れなくてもその分ビールが売れることもある。例えリセッションの局面になっても、うろたえずにやるべきことやる」

(田辺裕晶、写真も)


かつき・あつし 青山学院大卒。昭和59年ニッカウヰスキー入社。平成14年アサヒビール(現アサヒグループHD)に転籍。国際経営企画部長、企業提携部門ゼネラルマネジャー、常務、専務などを経て令和3年から現職。北海道出身。63歳。

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