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三菱地所の中島篤社長 オフィスビルの新たな役割を提案 対話やくつろぎの場所

オフィスの国内需要が頭打ちとなる中、対話やくつろぎなど新たな役割を提案していく考えを示した。

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産経新聞

 三菱地所の中島篤社長(60)は産経新聞のインタビューに応じ、オフィスの国内需要が頭打ちとなる中、対話やくつろぎなど新たな役割を提案していく考えを示した。ラグビー日本代表のスポンサーも継続する方向だという。

――令和6年の展望は

 「昨年は新型コロナウイルスの苦しみから解放され、経済活動はコロナ前水準まで戻ってきた。その中で(東京駅前に建設する日本一の高層ビル)『トーチタワー』の着工ができたことは非常に大きな前進だった。今の流れを生かしていきたい」


インタビューに応じる三菱地所の中島篤社長=13日午前、東京都千代田区(酒井真大撮影)

――国内需要が頭打ちになる中、住宅やオフィスの供給でどう差別化するか

 「住宅はパワーカップル(共働きの高収入夫婦)にターゲットを置き、好まれるライフスタイル、エリアを推している。オフィスビルは働き方が変わり、執務スペースとしてのオフィスより、人と人がコミュニケーションをとる場所、くつろぐ場所などを提案しないといけない時代になった」

――海外事業の拡大も活発化している

 「2020年の長期経営計画は、営業利益ベースで30年目標を900億円としているが、想定よりうまくいっている。達成時期の前倒しをするべく戦略を見直している」

――戦略の見直しとは

 「当初はアジアを中心に事業を伸ばしたいと考えていたが、欧米など先進国でよりチャンスがあるとの認識に至った。新しいエリアとしてはオーストラリア。シドニーを中心に超一等地の開発需要が非常に強い。欧米市場の透明性は強いサポート材料になる」

――「2024年問題」による建設業界の人手不足で、再開発などの工期が遅れる恐れも出てくる

 「(建設会社には)お約束いただいた工期は守っていただくというのが基本姿勢だ」

――ラグビー日本代表スポンサーは次回W杯(2027年)も継続するのか

 「基本は継続する。役割が違う人たちが自分の力を発揮して一つの成果を出していく姿は、不動産デベロッパーがやっていることと相通ずるものを感じる」

(福田涼太郎)


なかじま・あつし 東大法卒。昭和61年、三菱地所入社。平成26(2014)年、ロックフェラーグループインターナショナル社社長兼CEO、30年三菱地所執行役常務、令和4年取締役代表執行役専務などを経て、5年から現職。東京都出身。60歳。

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