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島津製作所がクラフトビール共同開発 分析機器で香りや味を調整

島津が飲料を共同開発するのは初めて。島津製の分析機器を使い、酵母が持つ香りや味の特長を引き出しており、スパイシーな香りとかんきつ系のようなフルーティーな味わいのビールに仕上げている。

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産経新聞

 島津製作所は23日、クラフトビールなどを手掛ける二軒茶屋餅角屋本店(三重県伊勢市)と共同で開発したビール「香調(こうちょう)」を同日から限定1千本で販売すると発表した。島津が飲料を共同開発するのは初めて。島津製の分析機器を使い、酵母が持つ香りや味の特長を引き出しており、スパイシーな香りとかんきつ系のようなフルーティーな味わいのビールに仕上げている。


島津製作所が分析機器を活用して共同開発したビール「香調」=京都市中京区

 東京・港区の「旧新橋停車場」付近の木瓜(ぼけ)の実から採取した「BOKE酵母」の特長を島津のクロマトグラフ質量分析計などを使って香りと味の二つの側面から分析した。まず香りを分析したところ、カレーのようなスパイシーな成分が非常に多いことが分かり、特徴的な香りを生かす味わいを目指すことが決まった。

 次に試験醸造したサンプルを分析すると特定のアミノ酸が少ないことが判明。原料に小麦とオーツ麦を加えてアミノ酸の供給量を増やしてやることで発酵を促進し、安定したバランスの取れた味を実現した。

 開発に携わった島津分析計測事業部の武守佑典氏は「香りをテイスティングする専門家はいるが、人の舌でアミノ酸の量を判断するのは難しい。分析機器を使うことで、これまでにないアプローチでビールを作ることができた」と話した。

 香調は1本330ミリリットルで価格は税抜き600円。二軒茶屋餅角屋本店のサイトで購入できる。(桑島浩任)

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