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ネスレ日本とJR貨物が中距離輸送で連携 モーダルシフトで「2024年問題」対応急ぐ

輸送をトラックから鉄道や船舶に切り替える「モーダルシフト」は、二酸化炭素(CO2)の排出削減や、トラック運転手不足が懸念される「2024年問題」の有効策として期待されている。

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産経新聞

 ネスレ日本は21日、JR貨物グループと連携し、中距離輸送の一部をトラックから鉄道に切り替えたと発表した。輸送をトラックから鉄道や船舶に切り替える「モーダルシフト」は、二酸化炭素(CO2)の排出削減や、トラック運転手不足が懸念される「2024年問題」の有効策として期待されている。


ネスレ日本の輸送にも使われる貨物列車=21日、大阪市東住吉区

 ネスレ日本の島田工場(静岡県島田市)からJR貨物百済貨物ターミナル駅(大阪市東住吉区)を経由し、大阪府と和歌山県の小売店に納めるコーヒー飲料を運ぶ。走行距離200〜350キロの中距離輸送において、1社で1日当たり200トン規模の定期貨物を鉄道で輸送するのは食品・飲料業界で初めて。

 この日、同駅で開始式が開かれ、ネスレ日本の深谷龍彦社長は「持続可能な物流にチャレンジしていかなければならない」と述べ、物流危機への対応が急務との認識を示した。

 これまで同社は500キロ以上の長距離輸送を中心に切り替えを進めてきたが、より輸送量の多い中距離帯にも拡大した。1日200トンのトラック輸送を鉄道に切り替えることで、同社の令和6年の鉄道輸送量は前年から約4倍に増え、年間約900トンのCO2排出削減が見込まれるという。

 今後は霞ヶ浦工場(茨城県稲敷市)からJR貨物隅田川駅(東京都荒川区)を経由した東北方面への輸送にも広げる方針。(田村慶子)

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