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「味が変化するスプーン」をキリンHDが商品化 電気で感じ方、減塩食でも“満足”

電気で味の感じ方が変化する「電気味覚」効果を活用しており、減塩食に満足できない人々の食習慣改善に貢献することが期待される。

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産経新聞

 「味が変化するスプーン」で健康維持――。キリンホールディングス(HD)は20日、舌や口腔(こうくう)内に電気を通すことで塩味などを実際より強く感じられる「エレキソルト スプーン」の販売を始めた。電気で味の感じ方が変化する「電気味覚」効果を活用しており、減塩食に満足できない人々の食習慣改善に貢献することが期待される。


キリンホールディングスが開発した口内に電気を流すことで塩味などを強めに感じることができるスプーン=20日、東京都中野区(福田涼太郎撮影)

 同スプーンは電池が入る柄の部分が大きい以外は、重さも含め一般的なカレースプーンに近いサイズだ。柄や先端から人体に影響しない微弱な電流が生じ、スプーンに乗せた食べ物を通じて口内に電気が流れることで、塩味などが実際より強く感じられる。柄にある電源ボタンで、電流の強さは4段階から選べる。同社の担当者は「食卓で塩を振る感覚で使ってほしい」と話している。

 キリンHDは平成31年から明治大の宮下芳明教授と共同で、電気により塩味やうま味の基になる成分の働きを調整する電気味覚の研究に着手。食器を通じて口内に電気を流す方法を検討していたところ、はし型の実験機を使って減塩食の塩味が1.5倍程度に増強できたという。ニーズが最も高いスプーン型の開発・販売を先行させた。


キリンホールディングスが開発したスプーン。食習慣改善への貢献が期待される=20日、東京都中野区(福田涼太郎撮影)

 スプーンは水洗いをする際、先端部分を取り外すことが可能。また、ペースメーカーを使用中の人や重い疾患を持っている人らは利用しないよう求めている。

 20日から商品の公式オンラインストアで、初回は200本限定の予約・抽選販売を開始。6月中旬からは生活用品などを取り扱う「ハンズ」(東京)の一部店舗で販売する。価格は1万9800円。(福田涼太郎)

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