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ソニー、アニメなどエンタメに成長の活路 知的財産の相乗効果を進化

ソニーグループは23日、経営方針説明会を開き、稼ぎ頭のゲームや音楽、映画のエンターテインメント3事業の知的財産(IP)の相乗効果を進化させ、さらなる成長を目指す方針を明らかにした。IPの価値を最大化するため、市場規模が拡大するアニメなどの技術や基盤を磨き、成長の活路を見いだす。

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産経新聞

 ソニーグループは23日、経営方針説明会を開き、稼ぎ頭のゲームや音楽、映画のエンターテインメント3事業の知的財産(IP)の相乗効果を進化させ、さらなる成長を目指す方針を明らかにした。IPの価値を最大化するため、市場規模が拡大するアニメなどの技術や基盤を磨き、成長の活路を見いだす。


経営方針説明会で報道陣らの質問に答える(左から)ソニーグループの吉田憲一郎会長、十時裕樹社長=23日午前、東京都港区(鴨志田拓海撮影)

アカデミーの設立も検討

 ソニーは人気アニメ「鬼滅の刃」を手がけるアニプレックス(東京)をグループに持つ。米大手アニメ配信サービス「クランチロール」の運営会社を買収し、1300万人以上の有料会員を抱える。こうした基盤を活用し、有力作品を海外に配信している。

 さらにIPの価値を最大化するため、グループの技術や資産を使い、人手不足などの課題を抱える制作現場を改善し、作品の品質を向上させる。

 具体的には人工知能(AI)や自社が手がける半導体などの技術を使い、クリエーターが高品質な作品を効率良く制作できる環境を整える。また、アニプレックスとクランチロールが軸となり、アニメ業界と連携し、海外のクリエーターを育成するアカデミーの設立も検討する。

 吉田憲一郎会長最高経営責任者(CEO)は説明会で「アニメは世界に通用するエンタメだ。もともとはニッチな市場だったが、グローバルな産業に育っている」と期待を込めた。

「感動を届けるから感動を作る企業に」

 10年前のソニーはテレビ事業などの不振で赤字続きだった。吉田氏と十時裕樹現社長が平成25年に子会社から本体に戻り、当時の平井一夫社長のもとで構造改革の戦略を立案し、業績を立て直した。その後、半導体やエンタメ事業に集中投資し、高い利益率を維持している。今はエンタメ3事業がグループの売上高の約6割を占める。

 十時氏は「(過去10年を経て)次の新たな成長を作らないといけない。それが課された課題」と述べた。吉田氏は「ソニーの20世紀はウォークマンなど感動を届ける企業だったが、21世紀は感動を作ることに貢献したい」と話した。今後もエンタメに重点を置いた経営で、自社のIPを育成して成長につなげる。(黄金崎元)

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