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中国への不透明感で重要性増すインドビジネス 日本企業進出は頭打ち、構造的要因も

中国での政治・経済を巡る不透明感が続く中、日本企業はインドビジネスへの関心をこれまで以上に高めている。

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産経新聞

 中国での政治・経済を巡る不透明感が続く中、日本企業はインドビジネスへの関心をこれまで以上に高めている。だが、日本企業にとっては複雑で不透明な法制度などビジネス上の難しさが多く、政治的に先進国と異なる立場を取ることも相まって、中長期に期待できる市場の高成長を取り込んでいくのは一筋縄ではいかなそうだ。

 国連推計によると、インドの人口は2023年に中国を抜いて世界一になった。国際通貨基金(IMF)によると、24年のインドのの国内総生産(GDP)成長率は6.8%と主要国で最も高く、27年には世界第3位の経済大国になることが予想される。

 もっとも、日本企業の進出は頭打ちだ。在インド日本大使館の調査では20年の1455社をピークに減少傾向で22年は1400社だった。コロナ禍による経済・社会の混乱も一因だが、「州ごとに異なる複雑で不透明な法制度や厳しい価格競争、インフラ整備の遅れなどの構造的要因が進出を阻害している」と日本総合研究所の熊谷章太郎主任研究員は語る。

 日本政府にとってもインドはパートナーとしての期待が高いが、ロシアによるウクライナ侵攻への対応や気候変動問題では日米と異なる立場をとる。日米豪印の4カ国の協力枠組み「クワッド」を通じて経済を含む幅広い分野での関係強化を狙うが、インドは自国の経済成長などを優先するためにも全方位外交の方針を維持している。

 とはいえ、日印は2国間でみれば良好な関係であり、熊谷氏は「日本企業の進出支援やインド人材の受け入れによる関係強化など、政府としてビジネス環境改善に向け主体的に取り組めることはある」と指摘する。

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