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自動運転や体重移動で操作も 低速走行の「パーソナルモビリティー」、実用化へ開発加速

低速で走る電動の自転車や車いす、キックボードなど「パーソナルモビリティー」と呼ばれる超小型の乗り物が、自動運転などの最新技術を搭載して乗りやすく進化している。高齢化を背景に、駅やバス停から目的地までをつなぐ短距離の移動手段として期待される。

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産経新聞

 低速で走る電動の自転車や車いす、キックボードなど「パーソナルモビリティー」と呼ばれる超小型の乗り物が、自動運転などの最新技術を搭載して乗りやすく進化している。高齢化を背景に、駅やバス停から目的地までをつなぐ短距離の移動手段として期待される。

 「歩き疲れたときにこの乗り物があれば、とても便利ですね」

 5月22日、神戸市中心部の商店街「神戸三宮センター街」を買い物で訪れていた大阪市在住の20代の女性がそう語った。

 女性は、関西電力子会社のゲキダンイイノ(大阪市)が開発した3人乗り自動走行のパーソナルモビリティー「iino(イイノ)」の実証実験に参加。最高時速3.5キロで自動走行し、センサーで人や障害物を検知して減速・停止するイイノの乗り心地を体験した。

 パーソナルモビリティーは、一般的に低速での近距離移動を想定した電動の乗り物を指し、多くは1〜2人の使用を想定する。国は1人乗りの電気自動車(EV)など車やバイクを運転する感覚で乗るものを含めて「超小型モビリティー」と称している。

 高齢化が急速に進む国内では今後の需要を見込みパーソナルモビリティーが相次いで開発されている。WHILL(ウィル、東京)の自動運転機能が付いた車いす型モビリティーは、決められたルートを走行して目的地で人を降ろし、その後に自動で所定位置に戻ることができる。羽田空港や病院で導入されている。

 ホンダが研究開発している1人乗りモビリティー「UNI−ONE(ユニワン)」は、センサーや車輪に独自の技術を搭載し、両手を使わずに座ったままの体重移動だけで全方位へ移動できる。

 技術開発が進むパーソナルモビリティーだが、今後は自動車や歩行者と衝突しないなど安全性を高め、社会の信頼を得ることが欠かせない。NTTコミュニケーションズは今年1月、茨城県つくば市の駅を起点に、利用者が自動運転のモビリティーを利用して美術館や図書館などに移動する走行実験を実施。センサーで障害物を避けて動けるかなどを調べた。こうした安全性確保の実証実験は各地で進んでおり、普及に向けたカギを握る。(牛島要平、根本和哉)

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