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パナHD、大規模言語モデル構築 社内専用、秋に利用開始 設計や製造現場で活用
パナソニックホールディングスは2日、社内専用の大規模言語モデルを人工知能開発のストックマークと協業し、構築すると発表した。ストックマークが開発したLLMに社内データを追加学習させることで、グループ内の業務に特化したLLMを構築。
パナソニックホールディングス(HD)は2日、社内専用の大規模言語モデル(LLM)を人工知能(AI)開発のストックマーク(東京)と協業し、構築すると発表した。ストックマークが開発したLLMに社内データを追加学習させることで、グループ内の業務に特化したLLMを構築。秋ごろの運用開始を目指している。
LLMは膨大な文章データなどを学習する言語処理技術で、生成AIの基盤となっている。ストックマークは5月、独自開発したLLM「Stockmark−LLM−100b」を公開。「ハルシネーション」(幻覚や、事実に基づかない情報をAIが回答すること)を大幅に抑止できることが特徴で、このLLMにパナソニックHDの社内情報を追加学習させる。性能の指標となるパラメーター数は1千億規模になる。
ベテラン社員からの技術継承が課題となっている製品設計のノウハウを、生成AIとの対話形式で引き出せるようにするなど、開発や生産の現場などでの活用を目指す。
LLMの研究開発には各社が乗り出しており、国立研究開発法人、情報通信研究機構(NICT)とKDDIは今月1日、LLM開発の共同研究を始めると発表した。LLMの独自開発を進めるソフトバンクは、3900億パラメーターのLLMの構築を目指し、将来的には約1兆パラメーターを見据える。(桑島浩任)
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