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新ソニービル「銀座の余白」に 利用者が自由に使い方を決める空間 来年1月オープン

東京・銀座の数寄屋橋交差点に面し、ソニーが建設していた新しいビルが15日に完成した。

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産経新聞

 東京・銀座の数寄屋橋交差点に面し、ソニーが建設していた新しいビルが15日に完成した。1966年に建設されたソニービルは銀座のシンボルとして、多くの人に親しまれてきた。創業者の思いを継承し、街に開かれた公園のような施設として、来年1月にオープンする。利用者が自由に使い方を決める「余白」が重要なテーマとなっている。


旧ソニービルを建て替えた「銀座ソニーパーク」=23日午後、東京都中央区(黄金崎元撮影)

開放的な吹き抜け、ベンチも設置

 ソニーは23日、旧ソニービルを建て替えた「銀座ソニーパーク」を報道陣に公開した。地上5階、地下4階で、延べ床面積が約4390平方メートル。地上の3方が道路に面し、地下は地下鉄のコンコースや駐車場に直結している。

 地上1階は開放的な吹き抜けで、誰でも入りやすい空間となっており、ベンチが設置されている。地下から屋上まで外階段で続いており、隙間から光が入り込み、心地よい風が吹き抜ける構造となっている。地下階の一部には旧ソニービルの壁も残した。

「銀座の庭」を継承し公園をイメージ

 ソニー創業者の盛田昭夫氏は、旧ソニービルの角地にあった10坪のパブリックスペースを街を訪れる誰もが楽しめる「銀座の庭」と呼んでいた。新ソニービルは50年以上続いた「銀座の庭」の思想を継承し、「銀座の公園」をイメージして建設された。

 「銀座ソニーパークプロジェクト」に携わり、ビルを運営するソニー企業の永野大輔社長は「世界の都市の公園を研究する中で、たどり着いたのが余白という答えだった」と明かす。

テナントは入らず

 世界には緑がない公園があり、余白が街や人に新たなリズムを作っていることを知ったという。永野氏は「余白は建物の管理者が、その空間で何をするのか指定するのではなく、受け手側に使い方を委ねるという考え」と説明する。

 新ソニービルは銀座で買い物や食事をする際に休憩したり、仕事をしたり、スマートフォンで遊んだり、利用者が自由に使える空間を提供する。永野氏は「これは銀座の余白になる」と話す。施設にはテナントは入らず、イベントや広告費などでビルを運営する。

 旧ソニービルはソニーのショールームとして携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」などの新製品を展示。平成29年に閉館し、建て替え作業に入った。ビル解体中の30年8月〜令和3年9月まで公園として活用し、展覧会などのイベントを行ってきた。(黄金崎元)

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