検索
ニュース

セブン手ごろ価格帯強化、イオンは値下げ 小売り大手が価格政策で消費者つなぎ止め

小売り大手で、食品や日用品を対象とした手ごろな価格帯の商品強化や値下げの動きが相次いでいる。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
産経新聞

 小売り大手で、食品や日用品を対象とした手ごろな価格帯の商品強化や値下げの動きが相次いでいる。春闘を受けた賃上げが進むなどして物価変動を考慮した7月の実質賃金は2カ月連続のプラスとなったが、物価上昇の波で消費者の節約志向はなお高止まりしており、価格政策により来店客をつなぎとめたい考えだ。


セブンイレブンの店舗(酒井真大撮影)

「割高の印象克服を」

 コンビニエンスストア最大手のセブン−イレブン・ジャパンは今月3日、手ごろな価格で提供する「うれしい値!」商品のラインアップを9月末までに約270品目に拡充すると発表した。

 同社によると7月16日から一部のおにぎりを対象商品として販売したところ、おにぎり全体の販売数が約1割も増えるなど好評で、取り組み強化を決めた。

 「五目炒飯」「麻婆丼」などは従来比で約50円値下げし、税込み348円で3日から販売。製造工程の効率化や原材料調達の見直しなどで、品質を維持したまま値下げを実現できた。

 また、食品以外にトイレットペーパーや洗剤などの日用品も9月以降に順次、展開していく予定だ。

 シンクタンクの調査では、相次ぐ食料品や日用品の値上げに負担を感じている消費者は6月に8割を超えた。セブンの羽石奈緒・商品本部長は3日の説明会で、消費意欲は依然として鈍い状況が続いているとの認識を示した上で、今回の取り組みで「『コンビニは割高』という印象を払拭したい」と力を込めた。

「消費者の懐、厳しい」

 一方、総合スーパーのイオンは昨年9月から4回にわたり、プライベートブランド「トップバリュ」の値下げを実施。対象は食品や日用品など累計で120品目に上る。それとは別に、期間限定の値下げも不定期で実施しており、8月下旬に行った際は、大手メーカーが企画や製造を手掛ける「ナショナルブランド」の67品目が対象になった。

 同社によると、原材料によっては物価上昇がピークアウトしており、価格を抑えることが可能になったという。担当者は「賃上げが進んだとはいえ、まだまだ消費者の懐具合は厳しいのが現実」だと指摘する。

 首都圏でスーパーを展開する東武ストアも、昨年8月から対象商品を毎月入れ替えて値下げキャンペーンを続けている。本来は丸一年となった今年8月でキャンペーンを終える予定だったが、年末まで延長を決めた。担当者は「個人消費は物価高で停滞傾向にあり、景気の先行きにも不透明感がある」と説明している。(福田涼太郎)

### 画像キャプション一覧 ###

photo
セブンイレブンの店舗(酒井真大撮影)
photo
セブンイレブンの店舗(酒井真大撮影)

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ページトップに戻る