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パナソニック、EV向け最新型電池の量産体制整う 和歌山工場更新、従来より5倍の容量

パナソニックホールディングスは9日、電気自動車(EV)の航続距離を伸ばすことが期待される従来型と比べて約5倍の容量を持つ新型リチウムイオン電池の量産準備が完了したと発表した。

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産経新聞

 パナソニックホールディングスは9日、電気自動車(EV)の航続距離を伸ばすことが期待される従来型と比べて約5倍の容量を持つ新型リチウムイオン電池の量産準備が完了したと発表した。生産を担う和歌山工場のリニューアルが完了し、最終評価を経た後に量産を開始する。戦略パートナーである米EV大手テスラに提供される見込み。


パナソニックの和歌山工場で生産されるEV向け新型電池=9日、和歌山県紀の川市(桑島浩任撮影)

 新型電池「4680」は一般的な乾電池と同じ円筒形で、航続距離延長だけでなく搭載する電池の数を減らせるため、EVの価格低減効果が期待されている。従来品と比べて設備投資が少なく、組み立て人員を3〜5割減らせるなど、生産面でのメリットも多い。技術を既存工場に横展開することで、従来製品の生産性向上も可能という。

 パナソニックの電池事業は、米工場での電池生産が米政府のEV補助金によって大きな恩恵を受ける一方、EV市場の停滞で国内工場の生産は減少している。11月の米大統領選の結果次第では補助金政策が転換される可能性があるため、電池事業で稼ぐ力をつけることが課題となっている。

 電池事業を担うパナソニックエナジーの只信一生社長は「4680の開発にあたって、全体の底上げにつながるようなイノベーションができた。他の工場にも展開していく」と述べた。

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