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歩行リハビリ用「着るロボット」量産へ 病院の実証実験で効果確認 奈良・イノマー

リハビリに携わる理学療法士が持つ技術の再現性の高さや、装着のしやすさなどが特徴。

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産経新聞

 「着るロボット」の開発を手掛ける奈良市のメーカー「INOMER(イノマー)」が、歩行のリハビリを支援するロボットの製品化を進めている。リハビリに携わる理学療法士が持つ技術の再現性の高さや、装着のしやすさなどが特徴。医療機関での実証試験で、理学療法士側にも患者側にも大きなメリットがあることを確認した。来年春までに改良を終え、秋頃には量産態勢に入りたいとしている。


イノマーが開発した歩行リハビリ用「着るロボット」=奈良市

 同社は、運搬作業の軽減などに活用されるアシストスーツなどの技術を基に、「力」だけでなく「技」のアシストにも着目した着るロボット(ウエアラブルロボット)による身体能力の補完を目指して創業。第1弾プロジェクトとして、脳卒中や骨折などで片足が不自由になった患者のリハビリを支援するロボットの開発に取り組んでいる。

 通常のリハビリでは、理学療法士が患者の体を支えながら、患者の足の動きに応じて尻を押し出したりする。開発中のロボットは、患者の腰や太もも、尻にベルトやパッドを装着させ、モーターでワイヤを伸縮して体の動きを支援。理学療法士が持つ高いスキルを、ボタン操作だけで再現することができる。

 京都大原記念病院(京都市左京区)で6〜7月、脳卒中で体の片側の筋力が低下した患者2人を対象に、このロボットの実証試験を実施。体幹機能の向上や歩行速度の改善など多くの効果が確認された。

 同社は、今後も県内外の医療機関で試験を重ねながら軽量化などの改良を来年4月頃までに終え、10月頃から量産を始める。桂典史代表は「このロボットの活用が、理学療法士の負担軽減、患者の基本動作の向上につながることが実証された。力と技のアシストで誰もが望むパフォーマンスを発揮できる社会を実現させたい」と話している。

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