シャープが高級空気清浄機を発売 隈研吾事務所監修で伝統建築から着想、外装に木材採用

[産経新聞]

　シャープは26日、隈研吾建築都市設計事務所が監修した外装に本物の木材を使用したプラズマクラスター空気清浄機を10月21日に発売すると発表した。家具のように上質な空間に溶け込むデザインが特長。ホテルや公共施設を中心に個人にも販売する。価格は55万円（税込み）。月産は最大100台。

シャープが発売するプラズマクラスター空気清浄機。隈研吾建築都市設計事務所が監修した＝26日、東京都港区（黄金崎元撮影）

　新製品は上質な空間に調和する空気清浄機をテーマに2年半前から開発プロジェクトがスタートした。日本の伝統的建築物で、竹で編んだすだれのような窓の「簾虫籠（すむしこ）」や「障子」から着想を得て、細かな木の縦格子を外装に採用した。

　縦格子には家具に使われる樹種の中でも最高級のホワイトオークを使い、木工職人の手で1本1本丹念に組み上げた。

プラズマクラスター空気清浄機の新製品発表会に出席した建築家の隈研吾氏（左から2人目）とシャープの沖津雅浩社長（同3人目）＝26日、東京都港区（黄金崎元撮影）

　建築家の隈研吾氏は26日に都内で開いた説明会で、シャープの空気の技術と日本が培った伝統の力を組み合わせたことで「家電の歴史に新しい1ページを作れた」と胸を張った。

　シャープの沖津雅浩社長は「これからの家電は単に機能や性能を求めるのではなく、デザインを含めて多様なニーズに対応することで、新たな価値を生み出したい」と述べた。