スニーカーが振動で道案内 ホンダ発ベンチャー、視覚障害者の歩行支援に世界初の装置発売
ホンダ発のベンチャー企業「Ashirase(アシラセ)」(東京都港区)は30日、視覚障害者向けに靴に取り付けた装置が振動で道案内してくれる世界初の装着型振動ナビゲーションシステム「あしらせ」の量産モデルを10月1日から発売すると発表した。
ホンダ発のベンチャー企業「Ashirase(アシラセ)」(東京都港区)は30日、視覚障害者向けに靴に取り付けた装置が振動で道案内してくれる世界初の装着型振動ナビゲーションシステム「あしらせ」の量産モデルを10月1日から発売すると発表した。
装置は足の左右や甲、かかとで振動する仕組み。スマートフォンの地図情報と連動して変化する振動の部位と振動のテンポなどで道案内する。スマホに行き先をいったん音声入力すれば後は、曲がる場所が近づくと振動が早くなったり、進む方向を間違えると正しい方向の部位が振動するなど、足下からの情報で目的地にたどりつける。
スニーカーなど普段履いている靴の中に入れる振動部分は柔らかく薄い形状で、違和感がほとんどない。特定の行き先のルート登録や、視覚障害者にとって歩きやすいルートを提案する機能も搭載。昨年に限定販売したシステムへの利用者の反応に基づき、軽量小型化した。価格は5万4千円(非課税)で、専用アプリの基本利用料が月額550円。来年夏をめどに海外販売も始める方針。
同日会見したアシラセの千野歩最高経営責任者(CEO)は、視覚障害者は歩行ルートの確認の負担が無くなり、「安全の確認により集中できる」とメリットを強調。利用者として会見に同席した、パリパラリンピックの柔道女子48キロ級(全盲)銀メダリストの半谷静香さんは「ルートが合っているか、不安になる時間が減った。常に情報が足にある」と話し、スマホを手に持たず白杖だけで歩けるため、両手がふさがらないのも利点だと指摘した。
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