ドール、食品ロス削減へ 廃棄品をユニーク活用 バーベキューにバナナの炭はいかが
青果物販売のドールは、廃棄されてきた規格外のバナナを炭として商品化する取り組みを始めた。その名も「バナナ炭」で、木炭よりも火がつきやすいのが特長だという。
バナナの炭でバーベキューの火おこし−。青果物販売のドール(東京都中央区)は、廃棄されてきた規格外のバナナを炭として商品化する取り組みを始めた。その名も「バナナ炭」で、木炭よりも火がつきやすいのが特長だという。来年春の販売を目指す。まだ食べられるのに食品を廃棄する「食品ロス」の削減につなげる狙いだ。
味はおいしくても、皮に傷がついていたりサイズが大きすぎたりする規格外のバナナは販売が難しい。主産地のフィリピンでは年間約2万トンものバナナが廃棄されているという。ドールはこれを「もったいないバナナ」と呼び、メーカーなどと連携して飲料や菓子に活用する事業を展開。バナナ炭はその一環だ。
もったいないバナナを加熱して炭化させたバナナ炭は、着火しやすいことに加え、早く燃えて灰になりやすい。安全性の観点からバーベキューやたき火では、後始末として炭や薪を燃やしきることが求められる。扱いやすく、バナナの形をとどめたユニークさもあって、アウトドア業界の関係者からは「キャンプで使ってみたい」「子供が喜びそう」といった声が寄せられている。
さらに燃やすだけではなく、脱臭剤や調湿材などとしての活用も視野に入れている。フィリピンでは、既に土壌改良剤として使われているという。ドールの担当者は「規格外フルーツは地球の大事な資源。新たな可能性を追求する」と力を込める。
ドールのもったいないバナナを有効活用する取り組みは2021年にスタートし、23年は約900トンが菓子などとして「救出」された。今後、バナナ炭のほか、「おやつ」用に企業のオフィスや工場へ定期的に配達するサービスにも注力する考えだ。(中村智隆)
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