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“京阪版SDGs”手掛ける子会社が初の黒字化へ 今期 グループ全体浸透目指す

環境負荷に配慮したホテルの運営などが好調だった。京阪はこの事業を将来の中核事業の一つと位置づけており、考え方を他の鉄道や不動産などの事業にも広げる方針。黒字化は今後の展開の弾みになりそうだ。

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産経新聞

 京阪ホールディングス(HD)グループで健康・環境などを重視した商品やサービスの開発事業「BIOSTYLE(ビオスタイル)」を担う子会社が2025年3月期、黒字化することが17日、分かった。17年の設立以来初めて。環境負荷に配慮したホテルの運営などが好調だった。京阪はこの事業を将来の中核事業の一つと位置づけており、考え方を他の鉄道や不動産などの事業にも広げる方針。黒字化は今後の展開の弾みになりそうだ。

 事業は“京阪版SDGs(持続可能な開発目標)”といえる独自の考えにもとづき、昨年発表された長期経営計画では、「社会的価値と経済的価値を両輪で創造する」ための経営方針と位置づけてグループ全体で推進する方針を示した。

 黒字化する子会社は、事業と同じ名称の「ビオスタイル」(京都市下京区)。京阪は19年12月、京都市中心部にホテルや有機栽培の食材を扱うスーパーやレストラン、コスメブランドの販売店などを備えた複合商業施設を開業し、ビオスタイル社が運営してきた。


ビオスタイルが運営するホテルの内部=16日、京都市内(黒川信雄撮影)

 開業直後に新型コロナウイルス禍に見舞われ厳しい経営が続いたが、ビオスタイル社の山下剛史常務取締役によると、コロナ禍が収束して訪日客が回復し、ホテルの稼働率は約9割まで高まった。利用者に占める訪日客の割合も約9割という。

 海外での広告宣伝などは行っていないが「ホテルの環境への配慮や、健康的な食品を同じ建物内で購入できる点などが、口コミやSNSで高く評価されている」(山下氏)としている。

 京阪HDの加藤好文会長はビオスタイルについて「グループ内で浸透させ、最終的には京阪グループはこのような考え方で事業を行っていると(世の中に)示していきたい」と強調した。(黒川信雄)

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