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下水道の老朽化加速、道路陥没リスクは各地に 事故の増加懸念、AI活用の劣化診断も検討

下水道管の老朽化を原因とする道路の陥没事故はこれまでにも大阪市や福岡市など各地で相次いでいる。今後、全国的に下水道管の老朽化が一気に進むため、事故の増加が懸念される。

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産経新聞

 下水道管の老朽化を原因とする道路の陥没事故はこれまでにも大阪市や福岡市など各地で相次いでいる。今後、全国的に下水道管の老朽化が一気に進むため、事故の増加が懸念される。

 下水道は高度経済成長期に普及した。国土交通省によると、令和4年末時点で、全国の総延長は約49万キロ、うち約7%(約3万キロ)が耐用年数の50年を経過。14年末には約19%(約9万キロ)、24年末には約40%(約20万キロ)が経過する見込みで、加速度的に増加する。4年の下水道管に起因する道路陥没事故は約2600件に上り、各地で事故リスクが高まる恐れがある。

 今回の事故が起きた管は設置から42年が経過。管理する埼玉県は3年度に目視で点検を行い、腐食が確認されたものの、すぐに補修が必要だとは判断されなかった。

 「深部にあったり、日常的に水位が高かったりすると点検しづらいのが課題」(国交省)で、今回破損した管の深さも地表から約10メートルだった。

 自治体の予算や人員の不足が管理や修繕の課題になっている。日本下水道協会の担当者は「長寿命化とともにメリハリのある維持管理が必要」と説明する。人工知能(AI)を活用した劣化診断を導入するなど、限られた人材や財源で効率的な維持管理を行うための方策が検討されている。(宮崎秀太、山本玲)

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