万博「ノモの国」の建築資材99%を再利用 パナソニックHD パソナは兵庫・淡路島に移設へ
持続可能性を追求する万博で、資材再利用などの動きが広がるかどうかが注目される。
パナソニックホールディングス(HD)は4日、大阪・関西万博のパビリオン「ノモの国」の建築資材を、閉幕後に重量ベースで99%以上再利用すると発表した。パソナグループは出展パビリオンを兵庫県淡路島に移設し、観光事業に活用する。持続可能性を追求する万博で、資材再利用などの動きが広がるかどうかが注目される。
ノモの国の建設に当たり、パナソニックHDは自社の使用済み家電のリサイクル鉄をパビリオンの柱や梁(はり)に使用し、解体後は家電に再利用するスキームを構築。使用済みドラム式洗濯乾燥機約9200台分のガラスを使用した舗装ブロックも本社構内などに移設する。大林組や東京製鉄などと協力して実現した。
パビリオンの外装や照明は、2027年に横浜市で開かれる国際園芸博覧会(花博)の施設で再び使う。また、デジタルアーカイブとしてパビリオンの空間全体を記録として残す。
ノモの国は子供たちの「可能性を解き放つ」ことをコンセプトにパナソニックHDが持つ映像投影や音響の技術が投入されている。事前予約制でほぼ満員の状態が続き、当初計画した来場者数45万人を上回るペースで推移しているという。
館長の小川理子(みちこ)執行役員は「製造の領域で培ってきたリサイクル技術や環境の知見を投入した。二酸化炭素排出量の大幅な削減もできた」と話した。
パビリオンを巡っては他にルクセンブルク館の大阪府交野市への移設などが予定されている。日本国際博覧会協会によると、1970年大阪万博では施設の一部を含め28のパビリオンが移築された。協会は今回「70年を上回る」との目標を掲げている。(桑島浩任)
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