PayPay、9月下旬から韓国で利用可能に 入国時に自動切り替え 200万店舗が対象
入国すると自動で韓国モードに切り替わり、為替レートなども表示される。日本のユーザーの海外旅行時の使用を想定した「海外支払いモード」で、利用地域の拡大も検討する。
スマートフォン決済大手PayPay(ペイペイ)は16日、9月下旬から韓国で決済機能などを利用できる新機能提供を始めると発表した。入国すると自動で韓国モードに切り替わり、為替レートなども表示される。日本のユーザーの海外旅行時の使用を想定した「海外支払いモード」で、利用地域の拡大も検討する。
新機能は、複数の国や地域の電子決済が可能な「Alipay+(アリペイプラス)」加盟店と韓国政府が推進する「Zero Pay(ゼロペイ)」対応店が対象で、韓国国内の約200万店舗で日本国内と同じように決済できる。クレジットカードの使えない屋台なども含まれているという。このほか、個人間送金や残高チャージ、割り勘などの機能も搭載されている。
韓国語で「アリペイプラスでお願いします」と表示することもでき、決済をスムーズに進めることもできる。支払い時には、現地通貨で金額を入力するが、日本円に換算した金額も同時に表示される。為替レートには、海外事務手数料が3.85%加算される。利用するには、出国前に本人確認を完了しておく必要があり、不正利用対策などが設けられている。
今回の新機能は日本人観光客が主な対象で、市場規模が必ずしも大きいとはいえない。ペイペイの柳瀬将良執行役員は「あらゆるところで使えるようにするのがわれわれのミッション」と強調する。
一方、ペイペイは、訪日客(インバウンド)向けにアリペイプラスを通じて14国と地域、26の決済サービスと連携してきた。7月時点で登録ユーザーが7000万人を超え、高いシェアを確立しており、「シェアが高いと海外の事業者と連携の交渉がしやすい」(柳瀬氏)という。ペイペイは米国での株式上場に向けた手続きを開始しており、世界展開に向けた足掛かりにしたい考えだ。(高木克聡)
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