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NTT、大規模言語モデル「つづみ2」発表 27年は関連事業5000億円に拡大
生成AI開発を巡っては、米中勢を中心に巨額投資による規模の競争が激化しており、NTTの取り組みはこうした覇権争いに一石を投じる狙いがある。
NTTは20日、自社開発している生成人工知能(AI)の基盤となる大規模言語モデル(LLM)の最新版「tsuzumi(つづみ)2」を公開した。日本語能力や特定の業界に特化することで、コストや消費電力を抑えた。生成AI開発を巡っては、米中勢を中心に巨額投資による規模の競争が激化しており、NTTの取り組みはこうした覇権争いに一石を投じる狙いがある。
つづみ2は金融や医療機関、自治体で使われる業界の知見を学ばせ、2024年の初代モデルから専門業務への対応力を高めた。
LLMの性能を示す「パラメーター数」は300億。日本語に対する知識や解析力は、約4倍のパラメーター数を持つ米オープンAIの最新版モデルを上回ったという。
また、1基の画像処理装置(GPU)で運用することができるため、装置のコストを大規模モデルの10〜20分の1の500万円に低減できる。
東京都内で記者会見したNTTの島田明社長は「安全保障や産業競争力の強化の観点から、自国開発のAIを重視する動きが活発化している」と述べた。
NTTは生成AI関連事業の受注額を今年は1500億円と見込んでおり、27年には5千億円に拡大するとしている。
25年4〜6月期は国内1306件、海外からも521件を受注した。BMWからはネットワークの運用に関する引き合いがあるなど海外の需要も期待できるという。
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