中速中型の配送ロボット実現なるか、奈良・宇陀市が会議 来年度以降に走行実験へ
奈良県宇陀市は、中速中型の自動配送ロボットの走行実現可能性を探るための会議を設置した。同市は昨年、IT先進国とされるエストニアの配送ロボ開発企業などと基本合意書を締結し、日本支社の市内新設に向けて協力することが盛り込まれた。
奈良県宇陀市は、中速中型の自動配送ロボットの走行実現可能性を探るための会議を設置した。同市は昨年、IT先進国とされるエストニアの配送ロボ開発企業などと基本合意書を締結し、日本支社の市内新設に向けて協力することが盛り込まれた。国内では道路交通法の改正で低速小型の自動配送ロボは走行が可能になったが、中速中型については実現のめどが立っていない。市は課題を整理し、来年度以降、走行実験に取り組む方針。
市が基本合意書を締結したのは、中型中速の自動配送ロボを開発したエストニアのベンチャー企業「クレボン」。同国ではスーパーの商品などを配送する際に使用され、無人で車道を走行しているという。
10月1日に市役所で開かれた初会合には、金剛一智(かずとし)市長や経済産業省、デリバリー会社、物流会社などの関係者が参加した。
経産省の説明資料によると、低速小型の自動配送ロボは長さ1.2メートル以下で最高時速6キロ。これに対して中速中型は軽自動車より一回り小さく、最高時速は20キロ程度で「『より配送能力の高い自動配送ロボット』による配送サービスが成長できるよう、規制と振興のバランスの確保が求められる」と指摘した。
経産省によると、低速小型は歩道などを走行し、すでにフードデリバリー業務に使用されている。中速中型は車道での走行が検討課題になる。
来年3月までに計4回会合を開く予定で、中速中型の自動配送ロボに可能なサービス、法整備の課題を探る。そのうえで来年度以降、市と、関心を持つ企業が共同で走行の実証実験を行う方針。用途としてはスーパーの商品や農作物、医薬品の配送が想定される。
市政策推進部の甲賀晶子参事は「地方の中小都市では、スーパーが遠く買い物しづらい地域があり、中速中型の配送ロボを役立てたい。人手不足が深刻化する中、自動配送の需要は高い」と話している。
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