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武田薬品、無菌室での作業をAI解析、品質管理の高度化へ 大阪工場110年で公開
同工場ではAIなどのデジタル技術を相次ぎ導入し、「次世代型工場」としての整備を推進。生産現場の安全性向上と、品質管理の高度化を他拠点に先駆けて実施している。
武田薬品工業は11日、今年で創立110年を迎えた大阪工場(大阪市淀川区)で、無菌室内の作業の動きを人工知能(AI)で解析する新たなシステムなどを報道陣に公開した。同工場ではAIなどのデジタル技術を相次ぎ導入し、「次世代型工場」としての整備を推進。生産現場の安全性向上と、品質管理の高度化を他拠点に先駆けて実施している。
同工場は大正4年、同社初の国内製造施設として設立された。今年からAIを使って無菌室での作業員の動きを解析する実証実験を開始。従来はベテラン担当者が監視映像で確認してきたが、複数の作業員の動きを同時に見極める際の負担が課題となっていた。
今回導入されたシステムではAIが監視映像を解析し、作業員の動作を自動検出。「適切」「速すぎる」「静止状態」などに分類し、改善指導に活用する。VR(仮想現実)で無菌室を再現した作業訓練も実施されており、教育効果の向上を目指す。
近年はほかにも、3Dプリンターを用いた備品の製作や、ドローンによる高所点検などを取り入れている。
同工場ではこの日、110年記念セレモニーを開催し、同社の従業員200人以上が参加。山田章弘工場長は「大阪工場を支えてきたのは最新設備や技術革新だけではなく、人がバトンをつなぎ発展を重ねてきた」と歴史を振り返った。(清水更沙、写真も)
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