中小向けTrunk機能拡充へ「魅力さらに高まる」 三井住友FG中島達社長インタビュー
5月に開始した中小企業向け金融サービス「Trunk(トランク)」の機能拡充に意欲を示した。中島氏は「今は銀行口座の機能中心だが、今後魅力がさらに高まる」と語った。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中島達社長は17日までに産経新聞のインタビューに応じ、5月に開始した中小企業向け金融サービス「Trunk(トランク)」の機能拡充に意欲を示した。中島氏は「今は銀行口座の機能中心だが、今後魅力がさらに高まる」と語った。
トランクは最短で申し込みの翌営業日に口座開設が可能で、他行への振込手数料は145円と業界最低水準。5月のサービス開始以降、約2万5千口座に到達した。来年以降、経理事務の合理化やクレジット機能の強化を図り、さらなる顧客獲得を目指す。中島氏は「社長自ら経理を行う中小企業も多いので業務効率化の効果はかなり大きい」と話した。
個人向けモバイル総合金融サービス「Olive(オリーブ)」も、さらなるテコ入れを図る。中島氏は「使い勝手の良さとポイントがたまるお得感が好調の理由だ」と語り、今年末には700万口座開設を見込む。
利便性向上や準富裕層向け資産運用サービス拡充のため、スマートフォン決済アプリPayPay(ペイペイ)やSBIホールディングス(HD)などと連携してきた。中島氏は「オリーブの機能を魅力的で便利なものへ強化する」と述べ、提携先をさらに拡大する方針も示した。
同社は今年の春闘で約8%の賃上げを実現した。本業の銀行業が国内外で好調なことから、25年度の連結純利益予想を1兆5千億円に上方修正。中島氏は「業績も上がっており、従業員への還元をしっかり行う」と述べ、26年の春闘でも高水準の賃上げを検討する考えを示した。(久原昂也)
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