国内最高レベルの発電効率 大阪ガス「姫路天然ガス発電所」を来年1月に営業運転開始
最新鋭のガスタービンを採用した火力発電所で、国内最高レベルの発電効率となる。生成人工知能(AI)の普及などによって電力需要は高まっており、ガス事業に次ぐ収益の2本目の柱として電力事業を拡大する。
大阪ガスは18日、兵庫県姫路市で建設を進めてきた「姫路天然ガス発電所」の1号機を報道陣に公開した。来年1月に営業運転を開始する。最新鋭のガスタービンを採用した火力発電所で、国内最高レベルの発電効率となる。生成人工知能(AI)の普及などによって電力需要は高まっており、ガス事業に次ぐ収益の2本目の柱として電力事業を拡大する。
姫路発電所は敷地面積約22万平方メートルで、住宅地から約400メートルの距離にあることから高さ40メートルの防音壁を設置した。1号機の発電出力は62.26万キロワット。同出力の2号機も来年5月に運転開始を予定し、既存の発電所と合わせて大ガスの火力の発電容量は約320万キロワットになる。1、2号機ともに発電効率は約64%となり、同社の「泉北天然ガス発電所」(堺市、大阪府高石市)の約57%を上回る。
国内では脱炭素へ向けて石炭火力発電の縮小が進む一方、データセンターや半導体工場の増設などを背景に2030年度にかけて電力需要の増加が見込まれている。太陽光など不安定な再生可能エネルギーの導入拡大により、電力供給の変動に対する調整力があり、高効率のガス火力の重要性が高まるとみられる。
大ガスの25年3月期の電力事業の経常利益は411億円でガス事業の364億円を上回り、姫路1、2号機が運転することでさらなる利益拡大が見込まれる。姫路発電所の馬場量大(かずひろ)所長は同社の方針について「経済性の面から姫路(発電所)を優先的に運転していく。既存の発電所は需要によるが役割が調整力にシフトしていくことはある」と説明した。(桑島浩任、写真も)
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