ビジネスアナリストチームがもたらす社内変革:ビジネスとITを繋ぐビジネスアナリシスを知ろう!(1/2 ページ)
BAチームが関わることで部門間の連携がスムーズになり、意思決定の質とスピードが向上。組織横断的なプロジェクトがより機能するようになっている。
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近年、企業を取り巻く環境はめまぐるしく変化しており、業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性がますます高まっています。
こうした中で、社内のビジネスアナリスト(以下、BA)チームが果たす役割は非常に大きく、業務プロセスの改善や新たな価値の創出を後押ししています。
本稿では、筆者が所属するBAチームの取り組みを例に、BAチームの役割や活動内容を紹介します。
BAチーム設立の背景と体制
筆者が所属する株式会社エル・ティー・エスでは、企業や官公庁向けにビジネスアナリシスやプロジェクトマネジメント領域のコンサルティングサービスを提供しています。その経験や知見を活かし、社内にも専任のBAチームを設けて自社の業務変革を推進しています。筆者はこのBAチームに立上げから関わっており、今もリーダーを務めています。
現在、当社のBAチームは5人体制で、メンバーの経歴は顧客向けのコンサルタント経験者と、情報システム部門で保守運用を担当していたメンバーが半々ほどです。なお、一般的にBAは女性が多いと言われていますが、偶然にも当社メンバーも全員が女性です。
当BAチームは、ITに限らず幅広い変革テーマに対して客観的な立場から関わりたいという意図で、IT部門とは独立した組織として設置されています。とはいえ、日々の活動ではIT部門との連携機会は非常に多く、社内システムの保守や導入プロジェクトなどで密に協働しています。
BAチームのミッションと主な活動
BAチームのミッションは、社内の業務変革の企画・推進によってビジネスアーキテクチャを最適化することです。主な活動内容としては、ビジネスアーキテクチャの構造管理、主要システムの変更管理、業務変革プロジェクトの企画・推進などがあげられます。取り組みテーマは経営課題に応じて決定しており、近年では生成AIを活用したプロジェクトも進めています。
生成AIチャットボット開発プロジェクトの事例
ここでは、BAチームの活動を具体的にイメージしてもらうために、社内で推進した生成AIチャットボット開発プロジェクトの事例を紹介します。
このチャットボットは、社員から寄せられる社内手続きや制度・ルールに関する質問に自動で回答する仕組みで、社員が必要な情報にすぐアクセスできるようにすることを目的としています。BAチームは、プロジェクトの立ち上げから開発中の進行管理、稼働後の運用まで一貫して担当しました。
開発当初は法務部門のみを対象にしたPoC(概念実証)としてスタートしましたが、チームメンバーが各部署に丁寧に働きかけを続けた結果、半年ほどで対応部署が10以上に拡大しました。学習データとして取り込む文書も数百件に増え、今では多くの社員に活用されるツールになっています。
チャットボットをより良いツールへと育てていくために、BAチームでは定期的にチャットログの分析を行い社員がどんな情報を求めているかを把握し、その結果をもとに主管部門へ学習データの追加を依頼したり、エンジニアと協力して社員のユーザビリティ向上のための機能改善を行ったりしています。また、各業務部門が文書更新やルール改定に伴う運用負荷を減らすため、ドキュメント管理の支援や運用設計の見直しも進めています。
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