有機ハマチ養殖にAI活用、くら寿司が和歌山で開始 エサやり効率化で肉付きアップも
回転ずし大手のくら寿司は14日、和歌山県由良町の自社養殖場で行っている有機飼料による「オーガニックフィッシュ」のハマチ養殖に人工知能(AI)を導入したと発表した。オーガニックのハマチ養殖へのAI導入は国内初。エサの量などの分析にAIを活用し、効率の高い給餌を実現する。
回転ずし大手のくら寿司は14日、和歌山県由良町の自社養殖場で行っている有機飼料による「オーガニックフィッシュ」のハマチ養殖に人工知能(AI)を導入したと発表した。オーガニックのハマチ養殖へのAI導入は国内初。エサの量などの分析にAIを活用し、効率の高い給餌を実現する。
「オーガニックフィッシュ」とは化学合成された添加物や薬剤を使っていない有機飼料を使い、いけすごとに魚の密度を適正化するなど、国際的基準に沿って認証された有機水産物の規格。くら寿司は日本で初めてこの認証を取得し、2020年から規格に適合したハマチを養殖している。
食いつきの良いタイミングやエサの量の分析にAIを生かし、自動で給餌できる。人が船を出していけすに通う頻度を減らせるため燃料を約3分の1に抑え、エサの量も3割ほど減らし、ハマチの肉付きを良くする利点が見込める。
これまでは他社に委託して実施している養殖にAIを取り入れていたが、自動給餌機が対応できずオーガニックフィッシュには着手できていなかった。オーガニック用のエサは消化を良くするため水分量が多く、給餌機の排出口に詰まってしまう難点があったが、これを改良で解消したことでAIの導入にこぎつけたという。
オーガニックのハマチは現在、年間約110トンを生産。27年に約160トンと、初年度の20年の約3倍を目指す。
くら寿司が養殖に注力する背景には、国内の漁獲量の減少や漁業の担い手不足などがある。水産庁によると、国内の漁獲量は24年に363万トンと、1984年のピーク時(1282万トン)から3分の1以下に落ち込んでいる。
同社傘下で養殖業を手がけるKURAおさかなファームの清水雅彦上席執行役員は「30年、40年後に安定して調達できる環境を作るには国内の漁業を活性化することが不可欠」と指摘。AIなどデジタル技術を活用し、「労働生産性を高めることで魅力のある水産業を構築すれば課題の解決につながる」と意欲を語った。(田村慶子、写真も)
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