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名画集う京都・西洋絵画400年展“アートの大喜利“楽しもう 片桐仁さん的鑑賞のコツ

西洋絵画のコレクションでは国内屈指の充実度を誇る東京富士美術館(東京都八王子市)の所蔵作品展「西洋絵画400年の旅―珠玉の東京富士美術館コレクション」(産経新聞社など主催)が京都市京セラ美術館(同市左京区)で開催されている。美術大卒でアーティストとしても活躍する俳優の片桐仁さんが会場を訪ね、その魅力や名画鑑賞のコツを語った。(梶原紀尚)

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産経新聞

 西洋絵画のコレクションでは国内屈指の充実度を誇る東京富士美術館(東京都八王子市)の所蔵作品展「西洋絵画400年の旅―珠玉の東京富士美術館コレクション」(産経新聞社など主催)が京都市京セラ美術館(同市左京区)で開催されている。美術大卒でアーティストとしても活躍する俳優の片桐仁さんが会場を訪ね、その魅力や名画鑑賞のコツを語った。

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「西洋絵画400年の旅」展の魅力を語る片桐仁さん=京都市左京区の京都市京セラ美術館(山田耕一撮影)

巨匠らによる83点

 ヴァン・ダイクやブーシェ、ターナーにモネ、ルノワール、セザンヌら巨匠たちによる珠玉の83点が並ぶ同展。第I部では歴史画や肖像画などのジャンルによる序列が大きな意味を持った近代以前の伝統的な絵画を紹介する。第II部では産業革命や市民革命を経て画家の個性と多様性が花開く近代以降の絵画をたどる。

 鑑賞を終えた片桐さんは「絵画の数だけアーティストがいる。怒濤のアーティストの数に圧倒された」。さらに、「誰のために何を描くのかという絵画の立ち位置が時代とともに、移り変わっていくのが体系的に分かるのが面白い。やはり、絵は時代を映す鏡ですね」と振り返った。

 第I部で最も気になった作品は、1730年代に描かれたカナレットの《ヴェネツィア、サン・マルコ広場》。近づいて見ると、広場にはターバンを巻いた人や立ち話をする人がいて−建物やゴンドラ内にいる人など、描かれた人物は100人以上を数える。

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カナレット《ヴェネツィア、サン・マルコ広場》を鑑賞する片桐さん。「絵の中の人たちが何を話しているのか想像するのも楽しい」と話す=京都市京セラ美術館(山田耕一撮影)

 精緻に描かれた作品に思わず、「人、描きすぎでしょ!」とツッコミを入れた片桐さん。驚異の画力と完璧な構図に、アーティストの一人として引き込まれたという。

ライブ感を味わう

 画家の個性が現れてくる近代以降の第II部にも引かれた。中でも印象的だったのはマグリットの《観念》だ。「顔にリンゴが浮いた絵は描けないです。しかもタイトルが《観念》って…。これはもうアートを使った“大喜利”ですよ」

 片桐さんは、近代以前の第I部を「歌舞伎や文楽など伝統芸能の名人によるテッパン芸」と評し、第II部は「それらが演劇やお笑いに変化し、個性が発揮されていく。一つの作品はそれぞれの画家が考える『大喜利』なんだってとらえれば、肩の力が抜けて面白いです」と語る。

 えりすぐりの名画がそろった今展。絵画の鑑賞法について、「みんな、ついつい何かの糧にしようという思いで絵を見てしまいがち」と指摘。「10秒すら絵を見ず、すぐにキャプション(解説文)を見る。その瞬間に絵は文字情報になってしまい、一番大事な『どう感じるか』という部分が抜け落ちてしまう」とし、一つの作品を3度見る方法を勧める。

 まず絵と向き合い、次にキャプションを読んで改めて眺める。最後に音声ガイドを聴きながらじっくり鑑賞する−という流れだ。片桐さんは「難しく考えなくていい。自分が感じるまま、自由に絵と対話してみては」と提案する。

 絵画の鑑賞で最も大切なのは、「この年齢で、この日に、この絵を見て、こんなことを感じたというライブ感」なのだという。「好みの作品が一つでも見つかれば、行った価値は十分にあります」と説く。

 そんな片桐さんの“推し”の作品は、カナレットが描いた《ヴェネツィア、サン・マルコ広場》だ。今でも世界中から訪れた人々でにぎわうイタリアの観光スポットに思いをはせ、「旅したいと思いました。300年たった今でもこんな景色が見えるのかなって」と笑顔を見せた。(梶原紀尚)

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