大きな器のリーダーを目指そう:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
なぜ、「あの人と一緒に働きたい」「あの人について行きたい」と思うのか。リーダーシップは右脳的か、左脳的かで分けられる。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
今リーダーである人にも、これからリーダーになる人にも、大きなリーダーになっていただきたい。経営者を目指す人なら必須条件です。それは、部下のためにも、会社のためにも、社会のためにもなります。もっと大事なのは、自分のためになるということです。そして、志を高くもち、素晴らしい人生を謳歌していただきたい。
坂本龍馬の魅力は何か
拙著『「ついて行きたいと」思われる大きな器のリーダーになれ』では述べていませんが、リーダー像の例として坂本龍馬を紹介します。龍馬の人気は、器の大きさにある。龍馬の功績は、西欧列強によって幕藩体制が揺れる中、仲の悪い薩摩藩と長州藩を同盟させ、江戸幕府が徳川270年の政治体制を朝廷に返上するという大政奉還をやってのけたことです。
龍馬は、人の話をよく聞き、良い意見は進んで取り入れた。龍馬を前にすると相手は熱く語りたくなったという。聞き上手でもあります。幕臣勝海舟を斬ってしまおうと面談するが、勝海舟の話に感動して、師として仰ぎ、徹底的に勝から学んだ。なんという柔軟な人物だろうか。
普段言葉は少ないが、必要なときは相手を説得してしまう。ユーモラスでもあり、説得力が極めて高い。志と人間力が高いから周りの人は説得される。笑顔が良かった人物であったに違いない。龍馬は人に動じることがなく、他藩のトップとも渡り合う。日本中を駆け巡って、人に会って説得して、結果、大事を成す。
龍馬は、身なりにはまったくこだわらないバンカラではあったが、うらやましいほどに周りの女性からモテる。それなりの魅力があるからこそ。
龍馬は大きな器のリーダーの鏡でもある。短期的な小目標ではなく、長期的な大目標を持っている。すぐに実現できそうな小さな目標に満足するのではなく、大きな目標を持って行動せよと言う。万一、目標達成の手前で死んでしまったら、それは、仕方がないとあきらめよとも言う。
龍馬は、右脳リーダーシップが極めて高いのです。
リーダーシップは左脳と右脳に分かれる
本書は、リーダーシップは左脳的なものと右脳的なものに分けて説明します。左脳的リーダーシップとは、理解能力、説明能力、分析力、計画立案能力、行動力などで人を動かす力です。これらは、多くの会社で個人を評価する際の基準ともなっています。他方、右脳リーダーシップとは、笑顔がいい、明るい、さわやか、ぶれないなど、人間力や取り組み姿勢で人を動かす力です。
「あの人と一緒に働きたい」「あの人について行きたい」と思える人があなたの周りに何人かはいるでしょう。理由は、「あの人はさわやかだから」「あの人は面白い人だから」などです。ちなみに、これらは会社での個人評価の対象ではないことがほとんどです。右脳的リーダーシップとは、一言でいうと人間力というか人間的魅力という言葉が的確だと思います。
現実は人間力の高い人と低い人の差は歴然としてあります。それが高い経営者や上司であれば、部下はよく働き結果を出します。左脳と右脳両方が備わっているに越したことはありませんが、あえてどちらかというと、右脳リーダーシップに人は引かれます。自分がどちらのタイプに入るのか、もしくは両方兼ね備えているのかを考えてみていただきたいと思います。
真のリーダーシップを高めるには左脳的リーダーシップに加えて右脳リーダーシップを備えることが大切です。ただし、本書に紹介していることをすべて持ち合わせることはまったく必要はありません。できる人もさまざまなタイプがおり、リーダーシップも1つではないからです。自分が今持ち合わせているものを最大限活用して、優れたリーダーになりましょう。
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