大賀氏のグローバリゼーション完成、映画事業の買収:グローバルへの道 SONY成長の軌跡(1/2 ページ)
現地で、トップクラスの優秀な人を採用するには。一流の米国人が安心して、誇りを持って入社する会社とは。これを実現するためにソニーが取った手段とは。
既に述べましたように、盛田氏は現地の事業は、現地人がやるべきという思想を持っていました。現地で、トップクラスの優秀な現地の人を採用するには、現地の会社でなければならない。それには、ソニーが現地の会社の仲間入りをしなければならない。前の章で、仲間に入れてももらえる方法が唯一つあるといいました。この、30年前に盛田氏がみたこの夢は大賀氏により実現されます。
米国で、どんな上流のパーテイにでも招待され、ホワイトハウスにも出入りできるという権利を瞬間的に獲得する方法があります。金と名声と仲間の権利、それは、ウオールストリートで巨万の富を築いても、自動車産業で世界制覇しても得られません。ところがなんと、トップクラスの女優さんと結婚すれば、即座に可能になるのです。
もし、盛田氏がエリザベステイラーかマリリンモンローと結婚していたら、盛田氏の夢は実現されたでしょう。それだけの魅力を持った人です。しかし盛田氏には、良子夫人がいます。日本には、成功したらトロフィーワイフを手に入れるという習慣はありません。ではどうするか。もうひとつ方法があります。それはハリウッドのメジャースタジオのオーナーになることです。そうしたら、女優さんたちをいつでも引き連れて歩けます
ハリウッドのスタジオのオーナーは特殊な存在です。名士以上のものがあります。盛田氏以外にそれをなしとげた外国人はメデイア王のマードック氏くらいのものです。米国では役者、とくに映画俳優は特別な地位にあります。二流の役者でも大統領になったり、アクション専門でも州知事になったりするのです。その俳優たちを自在に動かせる人物がスタジオのオーナーです。
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