実際にイメージ戦略を立てる方法について書いていきます。その1回目のテーマは「そもそもなぜイメージ戦略を持つ事が大事なのか」
今日はわたし自身の事を例にとってを話します。わたしは人生の中で一度大きく外見を変える経験をしました。背がとても高いのですが、以前はせっかくの個性をうまく生かしきれず、それどころか、どうすれば目立たないか、という全く逆の方向に意識を向けていました。
それから、あるフィニッシングスクールに通う事で背が高いということは強みである、という発想の転換をしてから、背が高いことを隠すファションではなく、背が高い事を生かすファッション、立ち居振る舞いに自分を大きく変えました。その事で自分自身に大きな自信が生まれたのです。
例えば人が私を見て笑っている時、それまではわたしが背が高い事を笑っていると考えていましたが、その後は、きっと好感を持っているんだと考えるようになりました。どちらが正しかったかは分かりません。でも大事なのはそう思い込むと、本当にそうなっていくという事です。それ以来、本当にたくさんのチャンスに恵まれて生きてきたと感謝しています。外見の力が変えるものは、ただ単にその人の見かけだけではありません。
ただわたしの場合、残念だったのが、その時点では自分のゴールに合わせて外見を変える、つまりイメージ戦略という発想を持っていなかったことです。ただ単に、自分の体型を生かし、似合う色を身につけることに重きを置いて自分の外見を変えました。
それはわたしの身長では、ファッションモデルのようなファッションを身に着けるということを意味しました。もちろん外見の基準はそれまでより格段に上がりましたが、わたしの実際のパーソナリティ、生き方、価値観、ゴールなどとはリンクしていませんでした。
ナポレオンの言葉 「人は着ている服装のようになる」まさにその通りです。
人はわたしの外見を見て、きっとこういう人だろう、何事にも積極的な華やかな人なのだろうと判断しました。すると、そう扱われる事によって本当の自分自身までが徐々に変わっていきました。自分が外見をコントロールするのではなく、外見がわたしをコントロールしてしまったのです。
もしあの時、せっかく変えるのなら、自分の外的視覚を生かすとともに、自分のゴールに合わせる、内面の自分を大切にするという発想を持っていたら、もっと違う方向に行っていたかもしれません。外見一つでずいぶん人生の方向が変わったように思います。
もちろん今は、明確なゴールに基づいたイメージ戦略を持っています。その時点ではイメージ戦略どころか、自分の本当のゴールを考えるという経験もなかったのです。
もう一度、「人は着ている服装のようになる」。
著者プロフィール
大里千春(Chiharu Ohsato)
イメージストラテジスト。エグゼクティブコーチ。
4歳からピアノを始める。そのまま音楽の道に進み、講師としてのべ2000人以上の生徒への教育の実績を積む。コーチングに出合い、音楽のキャリアに終止符を打ち独立。自らの体験から人生が大きく変わるきっかけとなった、コーチングとイメージストラテジングをその職業に選ぶ。ニューヨークにてイメージ関係のスキルを幅広く学び、ICF国際コーチ連盟ACC認定コーチ、AICI国際イメージコンサルタント協会認定イメージコンサルタントの資格を取得。
主にエグゼクティブを対象にパーソナルコーチング、組織内の関係性をデザインするリレーションシップコーチング、またイメージ戦略コンサルティング、セミナーを行うことにより、ビジネスでの成功を導いている。人が自分自身の深い部分とつながり、誇りを取り戻し大きな力で限界を超えていく姿に、コーチ、イメージストラテジストとしてサポートができることに限りない喜びを感じている。著書「優れたリーダーが実践するイメージチェンジ成功法」日本経済新聞出版社。
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