この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。
もし、道ばたに「1円玉」が落ちていたら――。
あなたは、拾い上げますか? それとも、そのまま見過ごしますか?
実は、そのときにどちらの行動を選ぶかによって、今のあなたに「稼ぐ素質」があるかどうかが分かるのです。
前作「稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?」(サンマーク出版)を出版して以来、テレビや雑誌をはじめとするメディアの取材、あるいはセミナーなどを通じて、800人を超えるビジネスパーソンの財布を見てきました。
そうして分かったのは、稼ぐビジネスパーソンのほとんどが長財布と小銭入れを携えているということ。また、仮に二つ折り財布であっても、どれも大切に扱われた美しい風合いを醸し出したものばかりでした。
稼ぐ人は、お金を「人からもたらされるもの」と心得ています。それゆえ、お金に対しても人と同様に大切に扱います。その考え方が、お金の入れ物たる財布にも映し出されるのでしょう。
稼ぐ人たちへのインタビューを通じて、財布の鑑定以外に、個人的な興味から、ある2つの質問を投げかけてきました。
1つ目は冒頭で紹介した「1円玉を拾いますか?」という質問。そしてもう1つが「もしも、無一文になったらどうしますか?」というものです。
前者の質問には、ほとんどの方が「もちろん1円玉を拾う」と答えました。そして、もう一方の質問に対しては「無一文になったとしても、いつでも復活できる」と断言する方ばかりでした。
その理由を問うと、みなさん口をそろえて「お金なら、街のなかのいたるところに落ちているでしょう?」と、あっけらかんとした表情で言うのです。
もちろん、実際に道ばたにお金がジャラジャラと落ちている訳ではありません。ここでいうお金とは「ビジネスチャンス」のことです。
私のような凡人ですと、道をただ、ボーっと歩いているだけなのですが(笑)、彼らは日常のなにげない時間にも、街をちょっと移動する道すがら、周りの人々の服装や街並みを興味深く観察します。
そして、「今、この地域はどういった状況にあり、どういったビジネスが生まれつつあるのか」あるいは「どういったビジネスが廃れつつあるのか」といったことを冷静に分析しているのです。
つまり、彼らにとって、街並みや道行く人々は単なる風景の一部でなく、「ビジネスチャンスの種」として捉えているのです。それが彼らの言う「道ばたにいくらでもお金が落ちている」という表現に結びつくのでしょう。
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