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ほめるな、叱るな、教えるなビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

部下育成の定石が「ほめて、叱って、教える」だったことに比べれば、まさに「非・常識」。しかし、これはアドラー心理学の考え方そのものである。

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ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。



アドラーに学ぶ部下育成の心理学

 昨年度、ビジネス書ジャンルで販売部数第1位に輝いた「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健 ダイヤモンド社)により、一躍注目を集めたアドラー心理学。本書はそれを「部下育成」へと応用し、ビジネス書大賞にもノミネートされた実用的ビジネス書です。

 本書のメッセージを一言で言うならば「ほめるな、叱るな、教えるな」に集約できるでしょう。これまでの部下育成の定石が「ほめて、叱って、教える」だったことに比べれば、まさに「非・常識」な1冊と言えるかもしれません。しかし、これはアドラー心理学の考え方そのものなのです。

 アドラー心理学では「ほめる、叱る」の賞罰教育を批判します。親や上司が望む行動を子や部下がとればほめる。逆ならば叱る。これは、親や上司による支配や操作以外の何物でもありません。この「ほめる、叱る」といった賞罰教育を続けていると、やがて相手は以下のようになるでしょう。

 「ほめられないとやらない。ほめてくれない相手を恨むようになる」

 「叱られなければ(見つからなければ)やらない」

 つまり「ほめる、叱る」といった賞罰教育に依存する依存型人間ができあがってしまうのです。現在、多くの企業が求めるのは依存型人間の逆である自立・自律型人間です。

 ほめられる、叱られる、飴と鞭のような外発的動機づけで動くのではなく、自らの喜び、貢献感に基づき内発的動機づけで動く人材。それが自立・自律型人材です。そのためには、すぐにでも「ほめる、叱る」といった旧来型の部下育成をやめる必要があるのです。

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