起業するならもっと数字で考えなきゃ!――黒字起業家になる52の言葉:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
「黒字社員」が起業すると1年で「赤字起業家」に。なぜ優秀な社員が起業家として成功できないのか。起業のポイントととは。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
私は兵庫県尼崎市で会計事務所を経営している。この業界では、すでに顧問の会計事務所がついている会社や個人に、いくら低価格で付加価値の高いサービスを提供できるとアピールしても、「乗り換え」てもらうのは、至難の業だと言われている。
別の事務所に変更するとなると、当然これまで依頼していた業務の流れを引き継いでもらわなければならない。しかも、その業務は「お金」に関することである。そのため、もし、うまく引き継げなかったら、会社は大混乱に陥ってしまう。
そんな不安が頭をよぎるため、よほど大きなトラブルがない限り、大半の経営者が会計事務所を変更することに消極的になるのだろう。
それでは、新規で顧客獲得を狙うとなると、どういうマーケットを攻めるべきか? 答えは、これまで会計事務所との付き合いがなかったが、これから必要になる人。
そう、起業家である。
そんなわけで、私どもの会計事務所でも、新たに起業家向けの専門サイトを立ち上げ、新規に設立された会社へのDM発送などを行ってきた。
その結果、現在では、毎月
- 電話でお問い合わせをいただく件数:8〜10件
- 事務所に面談に来られる件数:5〜7件
- 税務・会計顧問契約を依頼される件:4〜5件
といった状況になっている。
つまり、毎年50人ほどの起業家と税務・会計顧問としての付き合いをスタートさせていることになる。
ところが、残念なことに、せっかく起業当初から付き合いを始めたにも関わらず、1年後には、事業をやめてしまう人が少なくない。では、その起業家が全く仕事のできない人だったのか、というと実はそういうわけでもない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.