起業するならもっと数字で考えなきゃ!――黒字起業家になる52の言葉:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)
「黒字社員」が起業すると1年で「赤字起業家」に。なぜ優秀な社員が起業家として成功できないのか。起業のポイントととは。
私はこれまで「黒字社員、赤字社員」というテーマで執筆や講演を数多くこなしてきたが、その判断基準で言うと、「黒字社員」に分類される人ばかりだったと思う。
これまでの経歴を聞いてみると、前職でそれなりの実績をあげているし、それまでの「安定した給与」を捨て、一念発起して「起業」を選ぶという勇気と行動力を持った人たちでもある。前職の地位を維持していたら、きっと「黒字社員」として活躍し続けただろう。
では、なぜ前職では立派な「黒字社員」であったのに、起業すると、たった1年も持たない「赤字起業家」となってしまうのだろうか?
それは、従業員として活躍するために必要な能力と、起業家として成功するために必要な能力が、まったく異なるものだからである。そして、起業家は自分が行う事業に関して、すべての責任を負うことになる。
だから、そもそも立ち上げる事業が成功する見込があるのか、どのように起業の準備を進めていくべきなのか、どうやって事業に必要なお金を集めるのか、何に注意して事業を展開していくべきか、そして、どこまで事業を成長・拡大すべきか、といった点について、常に「数字」という客観的指標をチェックしながら判断していかなければならない。
そう、私が定義する「黒字社員」の何倍も、数字で考える習慣が求められるのである。
本書は、「数字で考えなきゃ!」シリーズの第4弾となるが、起業家が必ず直面するであろう課題と、それを乗り越えて最終的に成功するためのヒントとなる言葉を紹介している。
先に述べたように私の会計事務所は人気お笑い芸人ダウンタウンさんの出身地の兵庫県尼崎市にあり、私が接してきた多くのビジネスマンが「〜はアカン!」などといった言葉を使う。そのため、今回も、紹介している言葉の多くが関西弁となっている。
- 瓜は2つでええねん、3つも4つもいらん。――起業の構想を練るための9の言葉
- ホンマに1円にするとは……鼻からウロコ落ちたで。――起業の準備、手続きに役立つ11の言葉
- 銀行にあんのは日傘だけや。雨傘は1本もあらへんで。――資金調達を成功させる11の言葉
- チワワに象のエサは無理やろ?――事業運営、ビジネス展開をスムーズにする11の言葉
- コンビニに行くついでに、富士山登る気か?――事業を拡大、成長させるための10の言葉
関西弁になじみの薄い方には、表現がキツく感じることがあるかもしれないが、関西人独特のユーモアだと思って、ページをめくっていただければ幸いである。
著者プロフィール:香川晋平(かがわしんぺい)
香川会計事務所 所長。公認会計士・税理士・行政書士
関西大学卒業後、大手監査法人にて7年間上場企業の会計監査などに従事し、30歳でリフォームの株式会社オンテックスに入社。「従業員1人当たりの会計データ」を導入し、従業員の生産性を向上。入社後、わずか90日で経営管理本部取締役に就任、在任2年間の累計利益は業種別ダントツbPとなった。その後、5期連続50%超増収のベンチャー企業や従業員平均年収1000万円超の少数精鋭企業などの会計顧問をし、数社の非常勤役員も務める。
また、起業家支援サイト「尼崎・西宮会社設立・法人化サポート」を運営し、会社設立や資金調達のサポートから、会計・税務顧問業務まで、年間約50件の起業家支援を行っている。
主な著書に『東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員』(リュウ・ブックス アステ新書)、『もっと仕事は数字で考えなきゃ!』、『リーダーならもっと数字考えなきゃ!』、『営業ならもっと数字で考えなきゃ!』(いずれもあさ出版)などがある。
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