リーダーこそ「小説」を読もう!!:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
経営者やリーダーの職についている人は読書をする機会も多いだろうが、先日『アクションリーディング』を上梓した赤羽雄二さんは、リーダーこそ「小説を読んだほうがよい」と提案する。また、コミュニケーションに関する本についても勧めている。その理由はどこにあるのだろうか?
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
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経営者やリーダーの中には、本を読む人も多いでしょう。私が、経営者やリーダーに勧めるのは、小説やコミュニケーションの本なのです。
小説が大切な理由は、それが恋愛小説であれ、歴史小説であれ、SF小説であれ、自分とは違う人の人生や考え方を知ることで経験が豊かになり、人としての成長を加速してくれるからです。「心のひだ」を増やしてくれます。
「心のひだが多い人」とは、ふところの深い、器が大きい、人の気持ちが分かる、人間力のある人で、仕事をしていく上で、また、リーダーシップを高める上でも欠かせないと考えています。
ここで、リーダーシップというのは、必ずしも会社で昇進するということだけではありません。地域のコミュニティや趣味の仲間とのちょっとしたプロジェクト、誰かと一緒に何かの行動をするときでも、リーダーシップがある人がいれば、スムーズに進みますし、成果も出るので楽しくなります。
私のこれまでのすべての読書は、多分この「心のひだを増やす」というキーワードを中心に続けてきたと言っても過言ではありません。
なぜ、人の気持ちが分かる人が、リーダーに適しているのか。
他人の気持ち、痛みがわかる人は、一方的に決めつけず、現場や相手の状況をまずよく理解しようとします。そうすると、なぜできないのか、どこがまずいのか、解決の糸口はどこにあるのかがすぐに見えてきます。部下や当事者も、理解してもらっていることが分かるので、怖がらずに率直な話をしてくれます。
「心のひだ」が十分であれば微妙なニュアンスも一度聞けば理解でき、容易に想像もできます。ということで、仕事もプライベートも、余計なストレスなく、ありのままの姿を把握しそれに基づいて、ベストなやり方で進めていくことができるのです。
ただ、残念ながら、そういう人はどちらかというと少数です。多くの方は、自分の痛みはよく分かっても、人の痛みまでなかなか思いをはせないのではないでしょうか。分からなくはないとしても、余裕がなく、つい無視してしまいがちです。若い頃は、それでも少しは感じていたものの、社会に出て年数がたつにつれ、面の皮が厚くなるというか、感じなくなっていきます(感じなくしていっているともいえます)。
皆さんの周りにいないでしょうか。「結果」は何とか出しているけれど、社内の評判はイマイチで、あまり尊敬されていない、という人は。
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