残業ゼロでも目標達成!! 本気の「職場の時短術」:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
ムダなことを効率的にやることほど、ムダなことはない。やめても成果に影響しないことは、勇気をもってやめる、これこそが生産性を高める絶対条件だ。
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こんにちは、らしさラボの伊庭です。今回、チームで進める時短術の本を出版しました。私は、企業のリーダーへの研修と、その実践に向けてのコーチングを行っています。研修とコーチングを合わせると年間250回くらいの機会を持っているのですが、最近増えてきているテーマの1つに職場の時短があります。
背景には、残業削減を標榜するものの、1人あたりの業務量は増えており、その結果、1つ1つの業務が粗くなる、コミュニケーションの量が減る、助け合いが無くなるなど、ムリな時短の軋みが出ていることが背景にあります。
私は残業の多い会社に勤めていました。営業組織でしたので、お客様の対応だけでなく、残務に追われ21時、22時まで残業することも日常の光景だったのですが、私のチームは18時や18時半には帰宅することができていました。
断言します。残業をやめても成果は絶対に落ちません。いや、それどころか成果は上がります。そして、そのセオリーを書いたのが「残業ゼロだからこそ目標達成!! 本気でやる職場の時短術(明日香出版社)」です。今回は、ここから最も重要なセオリーを紹介していきます。
職場の時短術1:「やめても、成果に影響がないこと」は、いったん機械的にやめる
ムダなことを効率的にやることほど、ムダなことはありません。やめても成果に影響しないことは、勇気をもってやめる、これこそが生産性を高める絶対条件です。
ムダかどうかを診断する方法はシンプルに考えた方が良いでしょう。お勧めは、次の4つの要素で影響がないならムダと判断する方法です。
- やめても「収益」に影響しない
- やめてもCS「顧客満足」に影響しない
- やめてもES「従業員満足」に影響しない
- やめてもリスク「マネジメント」に影響しない
いずれかの観点で1つでも当てはまれば残し、1つも当てはまらないものは捨てます。
私は、20年来の習慣になっていた、毎日の「朝礼」をやめたことがありました。その結果、朝の商談が月間で220件増え、契約件数が比例して増えました。むしろ「収益」「顧客満足」は上がりました。他にも、いくつかの定例会議、報告書の作成もその対象としました。
それでも判断に迷うものも少なくありません。1つ1つの作業に思い入れがあるからです。愛着と言ってもいいかもしれませんが、物を捨てられないのと全く一緒です。長い目で見たら、ボディブローのように悪影響が出る、と思いがちですが、それを言い始めるとすべてが当てはまります。もはや、「いつか、使うからとっておく」心理と同じと思ったほうが良いでしょう。
例えば、「お客様への年賀状はどうする?」「お中元、お歳暮は?」「接待は?」全部でなくても部分で見ると、やめても成果に影響しないこともあるのではないでしょうか。一旦、機械的に判断をすると、無駄な仕事をダイナミックに捨てられるきっかけになりますよ。
職場の時短術2:「その人にしか分からない聖域」をなくす
「鈴木さんに休まれたら、誰も分からない」そんな「業務のブラックボックス」は、必ず残業の温床になります。そうならないためも、ペアで仕事を進める「ダブルアサインメント」を取り入れてみてください。通常なら1人でやる業務や取引先を、あえて2人の担当者がペアで担当します。
具体的には、
- 担当を「主担当」「副担当」と2人で担い、どちらかが不在でもスグに対応できる状態に。
- そのために、誰もが他の業務もできるよう「マルチタスク」化を導入。
- そのために、研修も実施する。
その結果、お客様を待たせることもなくなったことからCS(顧客満足)が向上。同時に、急遽の休みも可能になり、子育てがしやすくなるなどES(従業員満足)も向上します。
もし、担当者に業務が固定されてしまっているなら、そこに「休めない」「仕事の抱え込み」の要因が潜んでいます。
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