AIを活用して組織の生産性を上げるための、はじめの一歩:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
「AIに任せられる仕事を探して、働き方を改革せよ」という指令が経営トップから発せられるが事態はなかなか進まない。
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働き方改革・生産性向上に取り組む現場の声
「わが社もAIやIoTを活用して、社内の生産性を上げよ。AIに任せられる仕事を探して、働き方を改革せよ」という指令が経営トップから発せられる。いま、日本の多くの会社で起きている動きである。
しかしながら、事態はなかなか進まない。その理由はなぜか? それは、「何から始めたらいいのかが分からない」からだ。
AI活用の働き方改革を支援するコンサルタントとして、現場から聞かれる声を挙げると次のようになる。
・そもそもAIに何ができて、どこまでできるのかを自分が知らないので、現場に「ここから始めろ」という指示が出せない(50代上級管理職 部長クラス)
・クラウドでAIが300万円で使えて、仕事の一部が自動化できるのだが、それを課長に言っても、「よく分からないから意思決定できない」というようなことを言われて、げんなりした(20代後半 若手)
・「このままじゃ俺たちの仕事がAIに奪われるよねー」と喫煙室で話すものの、結局のところ、仕事の中身は変わらず、これまでと同じ単調なルーティンを繰り返してしまっている(30代 現場リーダー)
もしあなたがエグゼクティブとして、現場のこんな状況を見聞きしたらどう思うだろうか? 「だから、うちの会社は生産性が上がらないのだ」「勉強が足りない。新聞は読んでいるのか?」「いったい、どこから始めたら、誰に任せたらうまくいくのか……」と、そんな悩みを持っているエグゼクティブリーダー層が本当に多い。
そしてこの問題は、今すぐ解決に動かなければいけない。なぜなら、2020年に向けてテクノロジーは急速に進化し、ほとんど全ての産業や仕事、そして個人の生活に、AIが「当たり前のもの」として入っていくからだ。2020年である理由は2つある。
1つは、新しいテクノロジーは、誕生からおよそ7年間で一般に普及するという潮流があるからだ。インターネット(1995年にWindows 95誕生⇒2002年に仕事でメールは当たり前)とスマートフォン(2007年にiPhone誕生⇒2014年にアジア・アフリカではPCではなくスマホが普及)という過去事例から考えると、AIの普及時期は、2013年のディープラーニング誕生に7年をプラスした2020年となる。
2020年がキーになるもう1つの理由は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会だ。21世紀に世界初の量産ハイブリッド車のプリウスを間に合わせたのがトヨタ自動車であるのならば、自動運転をオリンピックに間に合わせるのもトヨタ自動車であろう。自動運転、VR、AR、MR、ロボット、その裏側にあるAI、IoT、ブロックチェーンの技術。これらが一気に2020年に向けて実用化されていく。
すでに、2017年も半分が過ぎた。2020年まで、あと3年。この3年で、「テクノロジーを活用して、社内の生産性を高めることに試行錯誤した経験を持つ企業」が、この先、大きな競争力を持つだろう。今が勝負時だ。
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