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AIを活用して組織の生産性を上げるための、はじめの一歩ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(2/2 ページ)

「AIに任せられる仕事を探して、働き方を改革せよ」という指令が経営トップから発せられるが事態はなかなか進まない。

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では何から始めればいいのか。はじめの一歩

 なぜ、日本のビジネスパーソンはテクノロジーに関するリテラシー(知識・経験)を持っていないのか。その問題の根源は、「テクノロジーはエンジニアや技術者が知っていればいいこと」と思ってしまっていることにある。だからこそ、「非エンジニア」に対してテクノロジーを「知る」「使う」「創る」機会を積極的に作っていくことが、経営者には強く求められる。

 AIのことを知らないから、「AIが人の仕事を奪うのではないか」と漠とした不安を生んだり、「AIは何でもできるんでしょ?」と、むやみに高い期待を持ったりしてしまう。その中で、いざAIを仕事に導入しても、「なんだよ、こんなことしかできないなら、使えないじゃん」となってしまい、せっかくのAIは使われないままに放置されてしまう。

 AIは、初めから賢いわけではなく、「使われる」ことでデータを蓄積、学習して、予測の精度を上げていくのにも関わらず、本質を理解しないまま社内に導入しても、結果はうまくいかない。そんなことがこの数年のうちに日本各地で起き始めるだろう。

 まずは、経営者やエグゼクティブが、AIを中心とするテクノロジーのリテラシーを高めること。その次は、管理職だ。「テクノロジーは若いやつに学ばせる」というのは既成概念。今、目の前の成果・マネジメントに全力を尽くすからこそ、視野が狭くなるという葛藤を感じている管理職にこそ、視野を広げる機会を作ってあげてほしい。

 結局のところ、AIはツールである。人の仕事の一部をAIやロボットに代替させ、人の仕事を楽にさせる。そこで生まれた時間や、脳のCPUのバッファを活用して、「人間にしかできない仕事」に取り組む。その方が、仕事も楽しくなる。

 「生産性を上げる」という目的のその先にあるのは、「仕事が楽しくなり、個人や組織が成長し、企業として世の中に価値を提供できる」というビジョンである。そのビジョンを経営者が語り、自らが率先して、テクノロジーを使いこなせるリーダーになっていくことが、2020年までの日本に求められていることだ。

著者プロフィール:藤野貴教

働きごこち研究所 代表取締役 ワークスタイルクリエイター

アクセンチュア、人事コンサルティング会社を経て、東証マザーズ上場のIT企業において、人事採用・組織活性・新規事業開発・営業MGRを経験。2007年、働きごこち研究所を設立。「ニュートラルメソッド」を基に、「働くって楽しい!」と感じられる働きごこちのよい組織づくりの支援を実践中。「今までにないクリエイティブなやり方」を提案する採用コンサルタントとしても活躍。グロービス経営大学院MBA(成績優秀修了者)。2015年より「テクノロジーの進化と人間の働き方の進化」をメイン研究領域としている。テクノロジーの最前線を「主婦でも分かる」ようなかみ砕いたことば、たとえで話すことを得意としている。

著書:2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方(かんき出版)


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